The Jesus And Mary Chain「Honey’s Dead」アルバムレビュー

The Jesus And Mary Chain「Honey’s Dead」アルバムレビュー

前3作の良いところを凝縮したThe Jesus and Mary Chainの4枚目「Honey’s Dead」。
進化した凶暴なノイズと甘いメロディが心地良い名盤!

トラックリスト

1. Reverence
2. Teenage Lust
3. Far Gone and Out
4. Almost Gold
5. Sugar Ray
6. Tumble Down
7. Catch Fire
8. Good for My Soul
9. Roller Coaster
10. I Can’t Get Enough
11. Sundown
12. Frequency

The Jesus and Mary Chainの集大成

「Honey’s Dead」というタイトルはJAMCの4枚目のシングル「Just Like Honey」を引き合いに出したものだとウィリアムはインタビューの中で言及している。

JAMCがスタジオに籠ってアルバム制作をしていた間、音楽シーンは激動の時代を迎えていた。「Honey’s Dead」は92年にリリースされたが、91年は何と言ってもニルヴァーナの「Nevermind」が発売された年だし、プライマル・スクリームもダンスロックの潮流を汲んだ作品「ローデッド」によって成功を収めていた。

「Psychocandy」によって一躍時代の寵児となったJAMCも、そんな新しい音楽の時代に向けて「Honey’s Dead」という過去に対する回顧をばっさりと切り捨てるようなタイトルでアルバムを発表した。しかし、その内容は今までの作品に対する深い敬意と今作に対する自信に満ち溢れたもので、ファンの中ではこれを最高傑作とする声も少なくない。

「キリストのように死にたい」「針のベッドの上で死にたいんだ」と歌う1曲目「Reverence」は死への憧れをひたすら吐露したもので、社会からかけ離れた場所にいるろくでなしには最高のカタルシスを覚えること間違いなしの名曲。「Psychocandy」で見え隠れしていたノイズの中の甘いメロディーが今度は埋もれることなく機能している。

「Far Gone and Out」は凶暴なノイズの中で「彼女はほんとにたちの悪い女」「彼女はほとんど病気」「彼女を取り返さなくては」と繰り返される。前2作では鳴りを潜めていたノイジーかつキャッチーなギターリフは、「Psychocandy」の時に鳴っていた音よりもっとずっと進化したものになっている。

そして個人的にこのアルバムで特に好きなのは「Almost Gold」と「Sundown」の2曲。

4曲目に収録されている「Almost Gold」は前の3曲と違って柔らかく喜びに満ち溢れた曲だ。メロディーが抜群に綺麗というのもあるけど、どこか世俗離れした美しさがこの曲にはあるように思う。

そして終盤の「Sundown」。大きな太陽が沈んでいく情景が目に浮かぶ綺麗な曲だけど、後半では「Shine on」と繰り返されながら雷のようなノイズの渦が降りかかってくるところが最高に気持ちいい。感情をすごく揺さぶられる。

まとめ

サイコキャンディのフィードバックノイズ、ダークランズの綺麗なメロディ、オートマチックの芯の太いロック、全ての良いところが集結した名作。「Darklands」が今でも一番好きだけど、「Honey’s Dead」にはJAMCのファンだからこそぐっときてしまうものがあるのも事実。あとこのアルバムを聴いてウィリアムは本当に良いギタリストだと思った。欲しい時に欲しいノイズを鳴らしてくれるのが本当に気持ち良い。