Machine Gun Kelly「Tickets to my Downfall」(2020)アルバムレビュー

Machine Gun Kelly「Tickets to my Downfall」

1.title back
2.kiss kiss
3.drunk face
4.bloody valentine
5.forget me too ft.Halsey
6.all I know ft.Trippie Redd
7.lonely
8.WWⅡ
9.kevin and barracuda(interlude)
10.concert for aliens
11.my ex’s best friend ft.Black Bear
12.jawbreaker
13.nothing inside ft.iann dior
14.banyan tree(interlude)
15.pley this when i’m gone

Tickets To My Downfall=「僕の堕落へのチケット」という意味とは真逆の曲たちが揃ったポップパンクアルバムをMachine Gun Kellyは発売した。彼は基本的にラッパーとして活躍しているが度々ギターを持ってライブを行っている。筆者が見に行ったサマーソニック2019でもギターを弾いている曲もあり、彼が青春時代聞いていた曲やバンドのバックグラウンドが見え隠れしていたのだが、ここでプロデューサーにトラヴィス・バーカー(Blink-182)を迎え入れポップパンクをコンセプトにアルバム制作をするとは思いもしなかった。そんな衝撃作を紹介していこう。

まずこのアルバム、歴史的な快挙を成し遂げいている。
発売初週に全米アルバムチャート1位を獲得しロックアルバムが1位を獲得するのは約1年と1ヶ月ぶり。何よりラッパーがポップパンクをコンセプトに制作しそれがまんまと世の中にハマったのだ。トラヴィスバーカーをプロデューサーに迎えたのはポップパンクのエッセンスを入れるだけではなく、既存の枠組みをいつも破壊してきたポップパンクの精神的な一面を取り込もうとしたのではないだろうか。それが功を奏し売上に直結しているのだから素晴らしい。
単純にマシンガンケリー自身がラッパーになる前に3ピースバンドを組んでいたこともあり、Blink-182に胸を打たれたキッズの一人だったそうだ。

そんな彼も去年の中頃、今までの人生の中でも類を見ないほどに落ち込んでいた時期があった。その時に制作が始まったことからタイトルの「Tickets To My Downfall」がきているのだろう。だが、そんな暗い名前のタイトルからは想像できないほど明るく爽快感のある曲がたくさん詰め込まれている。

5.forget me too ft.Halsey
アルバムを順に流すと最初にびっくりするのがこの曲だ。新時代の歌姫ホールジーを迎えたこの曲は今までのマシンガンケリーからは想像もできないほどにポップパンクど真ん中を捉えている。何回聞いても飽きが来ないほどに爽快なメロディ、リズム。それに加えてポップパンクも華麗に歌いこなすホールジーの歌声。このアルバムを表す一曲と言ったらこの曲だろう。
明るく爽快な曲調とは裏腹に終わりかけた男女のすれ違いを歌詞にしている。



6.all I know ft. Trippie Redd

このアルバムの中で一番ってぐらい過去と未来のマシンガンケリーが融合している曲だろう。正直ポップパンクと言うには少し落ち着きすぎた曲なのだが、そこにTrippie Reddが加わることでヒップホップとの親和性が高いことが証明されてしまったのだ。この曲を聞けたことでポップパンクがさらにポピュラーなジャンルになること間違いなしと感じた。

10.concert for aliens

先行シングルとしてアルバムより先に公開されたのがこの曲である。まだアルバムの詳細が発表される前に公開された時はあまりにも衝撃だった。MVのテイストも今の流行りを意識しつつマシンガンケリーの格好良さも前面に出すあまりにも素晴らしいMVだ。
この曲を流して海岸線、または夜の高速道路を走ればそこはもうあなただけのフィールドになるのは間違いなし。

12.jawbreaker

このアルバムも終盤に入りかけのこの曲である。I think I’m OKAYのような今までのマシンガンケリー要素を一番色濃く引き継いでいる曲に思える。だが、今までと違う点はそこにロック要素が入っていることだ。昔に想いを馳せてしまうほどノスタルジックなサビは彼の声とメロディ、トラヴィスのプロデュースに寄るところが大きいのだろう。夕焼けをバックに聞くのが最適なんじゃないだろうか。

最後にこのアルバムが発売するまでにコロナ渦で彼がYoutube上で公開してきたカバー動画「Lockdown Sessions」の中から一押しを紹介しよう。

Machine Gun Kelly&Yungblud/Champagne Supernova(Oasis Cover)

新進気鋭のシンガーソングライターヤングブラッドを迎えてのカバーだ。筆者は今後の音楽業界は彼ら二人が引っ張っていくと思っていた所にI think I’m OKAYぶりに彼らがコラボしたものだからテンションはとにかく上がりまった。しかもオアシス。彼らの活躍に今後も期待したい。

まとめ

このアルバムは改めて、ラッパーがなんとなくでポップパンクをやってみたわけではなく、しっかりとしたバックボーンがあった上でやっているから成功したのだと確信する。青臭さ全開のポップパンクと言ってしまえばそれまでだけど、マシンガンケリーが過去の暗い青春時代を肯定し、明るく爽快なサウンドに昇華しきったこの作品はきっと多くの若者にとって意味のあるアルバムになったに違いない。

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