知られざる高級レコードプレーヤーの世界。おすすめ名機5選を紹介

高級レコードプレーヤーは何が違うのか

1. 重量

高級なレコードプレーヤーは一般的なレコードプレーヤーと比べると重さがあるものが多いです。

IONのレコードプレーヤーは重さが約2.7kgですが、80万円〜100万円のレコードプレーヤーは大体20kg前後位の重量があります。

これは高音質を実現されるために設計上重量化しています。

理由としてはレコードプレーヤーは針が受け取った振動を音声信号に変えているので、軽微な振動にも耐えられるように重量化しているためです。

2. スピーカーと分離している

高いレコードプレーヤーは基本的にスピーカー一体型ではありません。

これは上記の重量化の話と関係するのですが、余分な振動を排除するためにスピーカーは別にした方がトラブルが少ないためです。

スピーカーは振動を増幅させるものであり、本来振動を排除するべきレコードプレーヤーとは相性が良くないため、基本的に別になっています。



3. 駆動方式

レコードプレーヤーには「ベルトドライブ」と「ダイレクトドライブ」の2つの駆動方式があります。

・ベルトドライブ方式:モーターがゴムのベルトでターンテーブルと繋がれている
・ダイレクトドライブ方式:モーターの軸にターンテーブルを直接取り付けられている

現在、最もポピュラーなのがベルトドライブ方式。

ダイレクトドライブ方式のレコードプレーヤーはかつてのオーディオブームが去ってからはモーターメーカーが撤退したことによってなかなか製造されなくなりました。

高級なものはダイレクトドライブ方式を採用しているか、ベルトドライブでもベルトの劣化を防ぐためにベルトが交換できるようになっていたり、モーターの速度が微調整できるものが多いです。

おすすめの高級レコードプレーヤー5選

Mcintosh「MT10」

回転数 駆動方式 カートリッジ トーンアーム形式 重量
33-1/3、45、78回転 ベルトドライブ MC型、MCC10付属 ストレートタイプ 19.0kg

初めに紹介するのは米国の高級オーディオ・メーカーMcintosh(マッキントッシュ)のレコードプレーヤー「MT10」

グリーンに輝く幻想的なターンテーブルが特徴的なこのレコードプレーヤーの価格はなんと200万円です。

電源を入れるとイルミネーションが点灯し、明るさも自由に調整が可能なので、夜の部屋の中でかけるだけでも異空間のような雰囲気が演出できます。

ステンレスと高純度アクリル材を複合させたサンドイッチ構造のターンテーブルによって、外部の振動を排除し、最高音質を実現しているレコードプレーヤーです。

▼点灯した時の参考動画

ちなみに楽天経由で正規の代理店から購入すると相場より少し安く買うことができるので、店舗で買うよりもおすすめです。

Technics「SL-1200GAE-S」

回転数 駆動方式 出力 トーンアーム形式 重量
33 1/3、45、78rpm/min ダイレクトドライブ PHONO端子 x 1
アース端子 x 1
ユニバーサルS字形
トーンアーム
スタチックバランス形
約18kg

ベルトドライブが主流の現在ではあまり見ないダイレクトドライブのレコードプレーヤー。

ダイレクトドライブ方式とはモーターの軸に回転盤を直接取り付けたもので、回転ムラが少ない代わりに振動をなくす設計にするために高度な設計が必要とされています。

そのため、現在ではほとんどのレコードプレーヤーが回転盤とモーターをベルトで繋ぐベルトドライブ方式で生産されています。

このSL-1200GAEも、上記のマッキントッシュよりはお手頃になりますが、このレコードプレーヤーの値段も348,000円とかなり値が張ります。

画像のものは日本製の300台限定モデルで、小型ですがかなり重さがあります。ターンテーブルの回転が滑らかで文句なしの高音質の高級レコードプレーヤーです。

 

LUXMAN PD-171

回転数 駆動方式 素材 トーンアーム形式 重量
33 1/3rpm、45rpm 切替式、回転数調整 : ±5% ベルトドライブ アルミ材削り出し
表面仕上げ : ダイヤモンドカット
スタティックバランスS字型 5.0kg(プラッター)
23.0kg(本体)

真空管アンプなどの分野で世界的名声を獲得している日本を代表するオーディオメーカー、ラックスマンのレコードプレーヤー「PD-171」

1983年発売のPD-350以来28年ぶりとなるアナログディスクプレーヤーです。

ユニバーサル型トーンアームが付属しているので、カートリッジにこだわりがあり、好きなカートリッジをつけて楽しみたい方におすすめです!

また、着脱可能な高輝度LEDタイプのスタイラス・ライトが装備されてるので、明かりを落とした部屋でかけるのも趣があります。

 

YAMAHA「GT-5000」

回転数 駆動方式 素材 トーンアーム形式 重量
33・1/3、45rpm
±1.5%の範囲で回転数を微調整できるピッチコントロールノブ
ベルトドライブ 真鍮削り出し(インナー)
アルミ削り出し(アウター)
スタティックバランス型 26.8kg

YAMAHAの高級レコードプレーヤー「GT-5000」

1982年発売のターンテーブルGT-2000から始まったGTシリーズの新しいモデルで80万円程の値段がついています。

高音質を実現するために重量化されていて、26.8kgと他のレコードプレーヤーよりも重さがあるのが特徴です。

ショートタイプのピュアストレート・トーンアームが使用されてるのも特徴で、針、カンチレバー、支点が一直線に配置されるため重量的・力学的バランスに優れていると言われています。

2021年12月中旬から新規受注を一時停止していましたが、2022年4月1日から受注を再開しています。ただ、海外から半導体を納品しているため、かなり手に入りにくいアイテムになっています。

Pro-Ject X2

回転数 カートリッジ 駆動方式 重量
33、45、78 MM型フォノカートリッジ ベルトドライブ 7.2g

スタイリッシュで極めてシンプルなデザインが特徴のPro-Jectの「X2」

「X1」の上位機種にあたるモデルで、最大の特徴は十分な厚みがあり、質量のあるMDFシャーシーを採用し、アナログ再生の最大の敵である共振をコントロールしていることです。

また、高出力フォノカートリッジが搭載されてることもあり、ダイナミックな音を楽しむことができるレコードプレーヤーです。

画像はウォールナットというカラーですが、真っ白なカラーのものも上質な雰囲気がありおすすめです。

 

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