【芸術】デザインが素晴らしいレコードジャケット12選

音楽を聴く目的としてはもちろん、インテリアとしての魅力も持つレコードジャケット。

今回は元レコード屋店員の筆者がアートワークにこだわったレコードジャケットや、飾ったらおしゃれに見えるレコードの名盤を12選紹介します。

1. The VelVet Underground & Nico「The VelVet Underground & Nico」


まずは定番のヴェルヴェッツの1stアルバム。

マリリン・モンロー肖像画で知られるポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルが手掛けた有名なバナナのジャケットです。

LPで発売されていた当時、このバナナはステッカーになっていて、剥がすとピンク色のバナナが覗くという、剥がした者をからかうような仕掛けがされていたことでも知られています。

ちなみにこのアルバムはプロデュースもウォーホルが手掛けています。

2. Little Feat「Sailin’ Shoes」


1969年にアメリカで結成されたバンド、Little Featの名盤。

Little Featのアルバムジャケットは1stアルバム以外の作品をネオン・パークが手掛けていて、一度見たら忘れられないジャケットです。

女の子の手と足がつけられた分裂したケーキがブランコに乗って靴を飛ばしているというシュールレアリズム的なイラストになっています。

また、この目と涙に関してはシュルレアリストとしても知られる写真家、マン・レイの写真を取り入れたものと考えられています。

3. Cluster「Sowiesoso」


ハンス・ヨアヒムレーデリウスとディーターメビウスで構成されるドイツの音楽デュオ、クラスター。

優しい電子音が聴かせる幻想的なサウンドとジャケットの雰囲気がマッチしているのが印象的です。

朝焼けとも夕焼けとも見える1枚で、湖面に反射する太陽の光がキラキラとしてるのも綺麗で恍惚とします。

4. Sonic Youth「Goo」


Black Flagのリーダー、クレッグ・ジンの実弟であるレイモンド・ペティボンによるSonic Youthのアートワーク。

有名なアルバムではありますが、内容を知らなくても思わずジャケ買いしたくなるようなセンスの良いジャケットです。

このイラストは1960年代に撮影されたモリーン・ヒンドレーとその夫デヴィッド・スミスという夫婦の写真を基にしていて、このモリーン・ヒンドレーの義姉、マイラ・ヒンドレーはイアン・ブレイディーという恋人と何度も殺人を犯した英国で有名なシリアルキラーです。

ヒンドレーとブレイディーはムーアズ殺人事件の犯人としても知られています。

ジャケットに書いてある英語は和訳するとこんな内容が書いてあり、これもなかなか物騒な内容になっています。

“I stole my sister’s boyfriend. it was all whirlwind, heat, and flash. within a week we killed my parents and hit the road.”
私は姉の彼氏を奪った。 それはあまりに破滅的で、熱くて、一瞬だった。 一週間のうちに私たちは両親を殺し逃亡した。

 

5. NRBQ「Kick Me Hard」


1965年に結成されたアメリカのロックバンド、NRBQの7枚目のアルバム。

少年とも青年とも取れる表情と、破られたメモ帳に描かれてるバンド名とアルバム名。

全てのバランスが絶妙で、可愛らしくもポップ過ぎず、センスの良さを感じさせる一枚になっています。

6. Frank Zappa, /The Mothers of Invention「Weasels Ripped My Flesh」


「いたち野郎」という邦題でも知られているフランクザッパの名盤。

このジャケットも前述のリトルフィートのジャケット同様、ネオン・パークが手掛けたもので、この作品をきっかけに注目を集めることになったと言われています。

ちなみにこのアルバムに参加したローウェル・ジョージは、後にロイ・エストラーダと共にリトル・フィートを結成することになります。

このアートワークは電気カミソリ広告のパロディで、「いたち野郎」という邦題にもぴったりな印象的なものになっています。

7. Genesis「Selling England By The Pound」


イギリスの5大プログレッシブロックバンドの1つにも数えられるバンド、Genesisの名盤。

邦題「月影の騎士」としても知られているこのアルバムは幻想的なサウンドで知られる特に評価の高い1枚です。

このジャケットのイラストはBetty Swanwickというイラストレーターによるもので、ジャケットの淡く優しい色合いがアルバムの良さを引き立てているように感じられます。

8. Galaxie 500「On Fire」


ラフトレードからリリースされたアメリカのインディーロックバンド、ギャラクシー500の名盤。

夕暮れ時に微睡むような気怠いサウンドとジャケットの哀愁漂う雰囲気がマッチしていて、個人的にすごくお気に入りのアートワークです。

アルバムの内容自体は演奏技術も稚拙で、虚無感や脱力感をそのまま昇華したようなものになっていますが、不思議と浮遊感溢れる心地良い曲ばかりになっています。

9. Joy Division「Unknown Pleasures」


イアン・カーティスの死により後のNew Orderとなったポストパンクの代表的なバンド、Joy Divisionの名盤。

ユニクロとコラボしたTシャツが2020年に発売されたこともあり、年齢層が若い方でも見たことある方もいるかもしれません。

マンチェスター出身のグラフィックデザイナー、ピーター・サヴィルが手掛けたこのイラストはパルサー「CP1919」からの無線パルスを描いています。

音楽性同様、前衛的な雰囲気や一度見たら忘れられない不穏さを漂わせている魅力的なジャケットです。

10. ニック・ドレイク「Pink Moon」


ダイナマイトを中心に、浮いてるマグカップや顔の描かれた奇妙なハートのような生き物が描かれているニック・ドレイクの名盤。

シュールレアリスム的なこの不穏なアートワークは、商業的な成功にも恵まれず、精神的にも不安定だった彼が気に入っていたイラストだったそうです。

ニック・ドレイクの最後の作品でもあり、アルバムの内容も暗いと言われていますが、物静かな夜にゆっくり聴くことができる一枚です。

11. The Smiths「The Smiths」


The Smithsの1stアルバム。

このジャケットはジョー・ダレッサンドロという俳優がモデルになっていて、68年公開のアンディー・ウォーホル制作のアメリカ映画「フレッシュ」に主演した時のワンシーンです。

The Smithsのジャケットはどれも良いですが、その中でもハイセンスさを感じられる1枚です。

12. Syd Barrett「The Madcap Laughs」


Pink Floydのカリスマ的存在だったシド・バレットのソロ作品。

アートワークを手掛けたのは、ヒプノシスという英国のデザインチームのストーム・トーガソンとオーブリー・パウエルです。

精神的に追い詰められていたシドの危うさと不安定さ、そしてナチュラルに溢れ出る狂気を象徴するような印象的なジャケットになっています。

写真撮影はデヴィッド・ボウイやクイーン、ルー・リードの撮影を手がけていることでも知られているミック・ロックによるものです。

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