【ロック黄金期】レコード屋店員が90年代の洋楽の名盤16選を紹介!

90年代はオルタナティブ・ロック、グランジ、ブリット・ポップなど様々なジャンルが台頭したロックの黄金期です。

他にもダンスミュージックとロックを融合させた斬新なサウンドなどもこの時期に生まれたものが多いです。

一番洋楽の中でも聴きやすく、聴いたことのある楽曲も多いのではないかと思います。

今回は元レコード屋店員の筆者が「ここだけは聴いてほしい」という90年代の必聴の名盤を18選に厳選して紹介します!

1. Nirvana「Nevermind」(1991)


1991年に発売されたNirvanaの伝説的な1枚。

グランジムーブの火付け役となり、90年代ロックの方向性を革命的に変えてしまったアルバムでもあります。

焦燥感溢れるサウンドと若者の葛藤を昇華したような危うさにカリスマ的なカッコよさを感じます。

ポストパンクやニューウェイヴといった音楽が台頭し、音楽的に試行錯誤していた80年代の流れに革命を起こした1枚です。

80年代にあった絢爛なキーボードもシンセもない、ベースとドラムとギターだけの荒削りなサウンドで燻っていたものを爆発させ、商業音楽にうんざりしていた音楽リスナーをロックへと呼び戻した歴史的な作品だと思います。

おすすめトラック:「Smells Like Teen Spirit」「Lithium」

2. Oasis「(What’s The Story) Morning Glory?」(1995)


1995年に発売されたOasisの2ndアルバム。

「Don’t Look Back In Anger」や「Wonderwall」など、おそらく誰もが1度は聴いたことのある楽曲が収録されている言わずと知れた名盤です。

Oasisの中でも最高のセールスを記録し、世界的ロックバンドへと押し上げた1枚です。

Oasisがどんなバンドかはもはや説明不要かもしれませんが、悪態をついたり兄弟仲が悪かったりブラーとライバル関係に仕立てあげられていたり…というエピソードが有名ですね。

そんな傍若無人な振る舞いも含めて労働者階級のヒーローとして扱われるようになりました。

ちなみに個人的にダントツでOasisの最高傑作だと思っている楽曲「Champagne Supernova」もこのアルバムに収録されているので是非聴いてみてほしいです。アコギを基調とした浮遊感溢れるギターロックのバラードになっています。

おすすめトラック:「Don’t Look Back In Anger」「Wonderwall」「Champagne Supernova」「Cast No Shadow」

3. Beck「Mellow Gold」(1994)


1994年に発売されたBeckの1stアルバム。

アルバムごとに大きく色が変わるのが特徴のBeckですが、中でもこの1stアルバムは少し実験的な荒っぽさがありつつも好き勝手にやりたい音楽をやっているような印象が特徴的です。

全体を通すとカントリー調の楽曲が多いですが、ブラックミュージックやヒップホップの要素も色濃く出ています。

一番のハイライト的な楽曲でもある「Loser」はヒップホップっぽいビートに気怠げなスライドギター、そして皮肉屋っぽい歌詞が癖になる楽曲です。

Soy un perdedor
(俺は負け犬)

I’m a loser, baby, so why don’t you kill me?
(俺は負け犬なんだ、俺を殺したらどうだ)

Soy un perdedorはスペイン語で「I’m a loser」と一緒です。この突然のスペイン語によるチグハグな感じも良いです。

おすすめトラック:「Loser」

4. Beastie Boys「Ill Communication」(1994)


1994枚目に発売されたBeastie Boysの4枚目のアルバム。

1stアルバム「Licensed to Ill」は80年代に最も売れたラップ・ミュージックのアルバムとなり、デビューから成功を収めたBeastie Boysですが、この4枚目はその後8年間商業的成功を収めることができなかった彼らの一発屋感をひっくり返した起死回生の1枚です。

ロック好きにもヒップホップ好きにもパンク好きにも刺さるような斬新なミクスチャー・ロックで、HIPHOPの枠を超えた傑作の1枚だと思います。

おすすめトラック:「Sure Shot」「Sabotage」

5. My Bloody Valentine「Loveless」(1991)


1991年に発売されたアイルランドのバンド、My Bloody Valentineによるシューゲイザーの名盤「Loveless」

シューゲイザーとは、爆音のフィードバックノイズと囁くような甘いボーカルが特徴的な音楽のジャンルです。

語源は「Shoe=靴+Gazer=見る人」という意味で、下にあるエフェクターや歌詞カードを見ながら俯いてギターを掻き鳴らす姿から付けられたと言われています。

そんなシューゲイザーと呼ばれるジャンルは90年代から本格的に出てくるようになりますが、マイブラのこのアルバムはシューゲイザーの名盤と言ったら多くの人が恐らく真っ先に思い浮かべるアルバムです。

ちなみにギタリストのケヴィン・シールズがこのアルバムの音作りにこだわりすぎて制作には約2年半が費やされ、製作費や日本円で約4500万円かかり、レーベルを潰しかけたという話も有名な1枚です。

6. Radiohead「OK Computer」(1997)


聴きやすいかは置いておいて、90年代の名盤と言ったら絶対に外すことのできない1枚「OK Computer」

1997年に発売され、革新的なロックを完成させた歴史的傑作として今でも人気の高い名盤です。

確かに暗くて聴きづらい事は全く否定しないのですが、社会からの疎外感や人生に対する不安を感じた時にこんなに寄り添ってくれるバンドはRadioheadだけなんじゃないかと個人的には思っています。

二転三転する展開とダウナーなアルペジオが作り出す不穏な空気が癖になる「Paranoid Android」やスローテンポの心地良いアルペジオが印象的な美しい一曲「No Surprises」など名曲揃いの1枚です。

個人的なイチオシは哀愁のある悲しげなアルペジオが特徴的な「Let Down」です。

おすすめトラック:「Paranoid Android」「No Surprises」「Let Down」

7. Weezer「Weezer」(1994)


泣き虫ロックバンドなんてよく言われる、Weezerの記念すべきデビュー作。

歌詞は大体女性に振られたことを歌っており女々しく、ボーカルのリヴァースはメガネをかけていて弱そうだし、とにかく自分のことをイケてないと思っている全世界の男性の味方のようなバンドです。

「ブルーアルバム」と言われているこの作品はアメリカで300万枚売れ、グラミー賞も受賞しました。

Weezerの最大の特徴はギターロックでありながらとにかくメロディーがキャッチーで甘くて聴きやすいことだと思います。

代表曲「Buddy Holly」とかは特にその気持ちいいリズムとキャッチーなメロディーが頭に残ります。

おすすめトラック:「Buddy Holly」「Say It Ain’t So」「No One Else」

ちなみに、もしこのアルバムにハマったら次は1番好きなWeezerの2ndアルバム「Pinkerton」を聴いてほしいです。「Pinkerton」の1番のおすすめは「Pink Triangle」です。

8. Green Day「Dookie」(1994)


1994年に発売されたGreen Dayのメジャーデビューアルバム。

その後の作品と比べると荒削り感がある作品ですが、メロコアの記念碑的な作品です。

なんといっても代表曲でもあるキャッチーでポップなパンクソング「Basket Case」は、特に若い頃に聴いたらよりその輝きが感じられるような瑞々しい楽曲になっています。

楽曲自体も非常にシンプルで、パワーコードで簡単に弾けてしまう楽曲だったり、スリーコードの楽曲が多く、教養や音楽的な技巧からかけ離れているからこその良さを感じられる1枚です。

9. Red Hot Chili Peppers「Blood Sugar Sex Magik」(1991)


1991年に発売されたレッチリの5枚目のスタジオアルバム。

ファンクとハードロックとヒップホップの要素を多彩に取り入れたアルバムです。

グルーヴ感が最高に心地よいのと、ジョン・フルシアンテのギタープレイがとにかくかっこいいです。

特に有名どころの楽曲だと「Suck My Kiss」「Give It Away」、しっとりとした楽曲が好きなら「Under the Bridge」をまずは聴いてほしいです。

個人的にはアコースティックギターとうねるようなベースを基調とした「Breaking the Girl」が癖になって好きです。

おすすめトラック:「Suck My Kiss」「Give It Away」「Under the Bridge」

10. Smashing Pumpkins「Siamese Dream」(1993)


1993年に発売されたスマッシング・パンプキンズの2ndアルバム。

鬱病で自殺願望に支配されていたビリー・コーガンが命がけで製作した1枚でもあります。

なんといってもこのアルバムのハイライトは大ヒットシングルでもある3曲目の「Today」です。

この曲は悲しい響きの単音のアルペジオと歪んだギター、ビリー・コーガンのしゃがれた声で歌われる美しいメロディーが特徴的な楽曲になっています。

「Today is the greatest day I’ve ever known」(今日は人生で一番素晴らしい日だ)という歌い出しが印象的ですが、この歌い出しは自殺する今日を最も素晴らしい日として、もうこれ以上悪い事は起こらないという意味で使われています。

内容は重たいですが、死の匂いがするからこその危うさと美しさ、ロックの不安定さが詰まった名盤です。

おすすめトラック:「Today」

11. Pavement「Crooked Rain, Crooked Rain」(1994)


1994年に発売されたPavementの2ndアルバム。

Pavementはスマパンとあまり仲が良くないことでも知られていますが、筆者はどちらも好きなので2バンドとも紹介します。

このアルバムは個人的にいわゆる体育会系なロックサウンドが苦手な人におすすめしたい1枚です。

ロックンロールに対する批判とノスタルジーのようなものが、不安定さを感じさせるローファイサウンドに乗せられた1枚です。

また、リードトラックの「Gold Soundz」はPitchforkの「The Top 200 Tracks of the 1990s」ではBeckの「Loser」やWeezerの「Say It Ain’t So」、Radioheadの「Paranoid Android」を抑えて1位に選ばれています。

おすすめトラック:「Fillmore Jive」「Gold Soundz」「Stop Breathin」「Cut Your Hair」

このアルバム単体のレビュー記事も書いてるので、よかったらこちらから読んでいただけたら嬉しいです。

→Pavement「Crooked Rain」アルバムレビュー

 

12. R.E.M「Out of Time」(1991)


1991年に発売されたR.E.Mの7枚目のスタジオアルバム。

自身初となる全米アルバムチャート第1位を獲得し400万枚の大ヒットを記録した作品です。

アコースティック・ギターやクリーントーンのギターを基調とした1枚で、他の作品と比べても聴きやすく初めてR.E.Mを聴く人にもおすすめしたい1枚と言えます。

中でも特筆すべきはR.E.Mの代表曲でもある「Losing My Religion」。

マンドリンの綺麗な音色が印象的なこの曲ですが、マイケル・スタイプはインタビューで、この曲のテーマは「片思いを歌ったラブソング」だと答えていて、歌詞の内容は重たく暗いものになっています。

個人的にはラブソングという枠に留まらず、自分自身と見つめ直したい時に染みるような楽曲です。

I thought that I heard you laughing
(君が笑っているのが聞こえたんだ)

I thought that I heard you sing
(君が歌っているのが聞こえたんだ)

I think I thought I saw you try
(君がそうしようとしているのを見た気がしたんだ)

But that was just a dream
(でも全てはただの夢だった)

That was just a dream
(それはただの夢にすぎなかったんだ)

13. Primal Scream 「Screamadelica」(1991)


1991年に発売されたPrimal Screamの3枚目のアルバム。

インディーロックとダンスミュージックを融合させたこのアルバムは今でも新鮮さがあり、日本では意外と知られてないですが聴いたら好きな人も多いはずと思っている1枚です。

60年代のサイケやアシッドフォークから80年代のダンスミュージックが好きな人まで幅広い人におすすめしたい作品です。

鋭角なアコースティックギターと宗教的な雰囲気のコーラスで一気に心を摑まされる1曲目の「Movin’ On Up」から2曲目The 13th Floor Elevatorsのカバー曲「Slip Inside This House」でこのアルバム独自の世界観を感じることができます。

おすすめトラック:「Come Together」「Higher Than The Sun」

14. Neutral Milk Hotel「In The Aeroplane Over The Sea」(1998)


アメリカ発のバンド、Neutral Milk Hotelが1998年に発売した2ndアルバム。

日本では知名度低めですが、90年代インディーロックの中では最高傑作の1つだと感じている1枚です。

ちなみにPitchforkで10点満点を獲得したアルバムでもあります。

3曲目「In The Aeroplane Over The Sea」のように優しい楽曲もあれば2曲目「The King of Carrot Flowers, Pts. 2 & 3」のようなノイズパンクっぽい楽曲もあり、多彩な音楽性を楽しむことができます。

実験的でありながらどことなく異国情緒が感じられ、そして全体のバランスはキャッチーで聴きやすく感じられる不思議な1枚です。

また、ジェフマンガムの歌詞も詩的で良いのも魅力になっています。

おすすめトラック:「In The Aeroplane Over The Sea」「Holland, 1945」

15. Jamiroquai「Travelling Without Moving」(1996)


1996年に発売されたJamiroquaiの3枚目のアルバム。

聴きやすいファンクやジャズの名盤の1つです。

恐らく一度は聞いたことであるであろうグラミー賞受賞曲「Virtual Insanity」が収録されています。日本でもカップヌードルのCMになりました。

アルバムを通して疾走感溢れる「Cosmic Girl」やディスコ調のサウンドがクセになる「Alright」なども是非聴いてもらえたらと思います。

おすすめトラック:「Virtual Insanity」「Cosmic Girl」

16. Elliott Smith「Either/Or」(1997)


1997年に発売されたエリオット・スミスの名盤。

アコースティックギターを基調としたインディー・フォークの歴史的傑作です。とにかくメロディーが美しく胸を締め付けられます。

代表曲でもある「Say Yes」「Angeles」は映画「グッドウィルハンティング」でも使われている名曲です。

特に「Say Yes」はシンプルながらこれ以上にないくらい良い抜群のメロディーで紡がれた美しい失恋ソングなので是非聴いてもらえたらと思います。

おすすめトラック:「Say Yes」「Angeles」