社会人5年目、もうすぐ27歳を迎えようとしている26歳アラサーです。
形式上だけでも大人になると、生き抜くために必然的に知っておいた方が良いことが多くありました。
その多くは学校では習わず、自分で生活をするようになって、問題が発生して初めて知ることの方が多かったなと思います。
個人的に子供の頃(特に大学生くらいまでに)に知っておきたかったことを個人的に書き残しておきます。
1. r>g
ひとつを挙げるとしたら、間違いなくこれです。
人生をゲームだと例えるなら、絶対にチュートリアルで説明すべき、資本主義社会の基本的な構造です。
これは簡単に言うと「資本主義社会では金持ちがより金持ちになる」ということです。
経済学者のトマ・ピケティが「21世紀の資本」という本で主張したもので、rは資本収益率、gは経済成長率を指します。
つまり、資本収益率の方が労働で得られる富よりも成長が早く、労働(給与収入)でしかお金を得られない人は相対的にいつまで経っても貧困になりやすい、ということです。
これは本当に金持ちの常識、貧乏人の非常識です。
例えばですが、米国の株価指数S&P500の過去の平均リターンは年利7~9%ほどあるため、例えば1000万円を投資していたらほっといても30年後には7,700万円になります。
労働収入がここまでの増加をしないことは、日々会社員として働いてる人なら分かると思います。せいぜい頑張ったって月数千円程度の昇給が関の山です。
大学生の自分に伝えたい、今すぐ月1万円でも5千円でもいいから少しでも株式投資に回して、資本家側に回れと。
もちろん投資はリスク0ではありませんが、S&P500(米国最強企業群500社)かオルカン(全世界の3000銘柄)に分散投資すれば長期的に見ればほぼ右肩上がりします。
私は学生時代、投資といえばギャンブル、「日産の株を買って大損」みたいな個別株投資しかないものだと思っていました。
でも今は違います。低コストで分散の効いた優良な投資信託があり、自社の給料に依存するよりもAppleやAmazonなどの優良企業群の株主に少しずつなっていた方がよっぽどリスクが低いです。
こういうことをもっと早く知りたかったし、学校で教えてくれてたら大学生の時からバイトで稼いで積立を始めて、今頃相当まとまったお金を手にしていたのに。なんて思ったりしてしまいます。
2. 会社は株主のためのもの
「なんで頑張ってるのに給料って上がらないんだろう」社会人になりたての頃は、よくそう思っていました。
成果を出せば、出世をすれば給料は上がる。そこに向かって頑張ろう。と何の疑いもなく信じていましたが、今はそんな疑問を抱くことはなくなりました。
会社とは株主に利益を還元するための組織です。
利益とは、売上ー費用(コスト)です。
費用の中には当然、給料である人件費が含まれます。
つまり、利益を多く残すには費用をできるだけ抑えるというのが正しく、給料はできるだけ上がらないようになっています。(もちろん売上を上げる、でも利益は残せますがこっちは不確実なのに対してコストカットは確実です)
「賃金は労働の再生産費に必要な最低限の金額である」とマルクスが言っていたのを、社会人になってから身に染みて感じます。
企業は「辞めないギリギリの金額」までをできるだけ支払いたいし、それ以上を支払いたくはないのです。
もちろん、経営者の中には従業員に還元しようとしてくれてる方もいますし、会社の全てが悪だと言っているわけでは無いですが、構造上、そうなるのは仕方ないと思います。
だから、会社によっては人事評価制度をブラックボックス化して、成果を出した従業員にも給料をきちんと還元しなかったりします。
先ほどの話と近いですが、会社は株主のためのものであり、資本主義社会とはつまるところ労働者が働いて株主が潤うための仕組みであると思います。
3. ネットリテラシー
ベタベタにベタなものですが、「ネットで個人情報を言わない」みたいな基本的な話だけではなく、
SNSやネットで情報収集をして、何かを買おうとしたりする時、常にその人がなぜ紹介しているのかを考えるようにします。
まずはリンクを見て、リンクが公式サイトに飛ぶものか、アフィリエイトサイトに飛ぶものかを確認します。
例えば楽天のクレジットカードの紹介リンクがあったとして、そのリンクが楽天の公式サイトのものか、アフィリエイトのパラメータがついているか、ASPサイトの名前(a8とかmoshimoなど)が入ってるかを見ます。
もちろん、アフィリエイトというビジネスモデルが悪いわけではないのですが、大前提「この人はこのリンクからの購入が発生するとお金がもらえるんだ」というのを理解したうえで情報収集をすることができます。
アフィリエイトは、商品の単価によって違うので、中には「本当は使ったことないけど、単価が高いから紹介しよう」という理由でおすすめしてるだけのケースも考えられます。
また、Youtubeで情報収集する際も、特典などで公式LINEに誘導してくる場合はクローズドな空間で情報商材などを売りつけてくる可能性が高いので、登録しないようにしています。
本当に良い商品、サービスであればYoutubeの動画内で堂々と売れるはずです。それをわざわざコメント欄の目に届かないところで販売している理由を考えれば、すぐに分かります。
思考の癖だとは思うのですが、広義的に言えば「なぜこの人はこんな話をするのか」を常に考えるようにすることが大切だと思っています。
もちろん知っている人からしたら当たり前の知識だと思いますが、こういうことを知らないでネットの海に飛び込んでる自分を想像すると怖いです。
今話した内容は私個人のイメージ・仮説にすぎませんが、こうした懐疑的な視点を持って物事を判断することが大切だと感じてます。
4. 「普通」は「普通」ではない
例えば30歳男性、年収500万円以上、身長175cm以上、大卒、大企業勤務を「普通」とした場合、上位何%になるのかチャッピーに計算してもらいました。

これらを満たす男性は上位1%です。一見割といそうな男性のプロフィールに見えますが、実際には上位1%の超上澄みです。
今のは例ですが、こんな風に「普通」の基準がどんどんインフレしていて、それに勝手に劣等感を感じてることは少なくありません。
劣等感をバネに、何かを頑張って人生が好転すれば良いですが、このインフレした「普通」を目の当たりにして心が挫けていた自分は勿体なかったなと常々思います。
得意な事があった事 今じゃもう忘れてるのは それを自分より 得意な誰かが居たから
これは親の声より聴いているBUMP OF CHICKENの才悩人応援歌という曲の歌詞ですが、子どもの頃はこんなこと思わない方が良かったなと心から思います。
友達の中でゲームが一番上手い、ギターがちょっと弾ける、クラスの中で勉強がちょっとできる、これくらいの「得意」を自信に、好きなことに夢中になっていた方が人生はずっと楽しいです。
そして夢中になっているうちにそれが仕事になるなんてこともありえます。
今はSNSがあるからこそ、なんでも全国レベルの上澄み層をよくも悪くもすぐに見てしまうが故、心が折れやすいです。
私自身は学生時代、何の自信も持てませんでした。ずっと自分に対する不信感との戦いでした。
だから、なんとなく普通の人間であることを証明したくて、勉強して大学に入り、転職して大企業に入りました。
でも、得意なことや好きなことに夢中になって生きる生き方を目指すなら、大人になる前はそんなこと考えずに好きなことをとにかく伸ばした方が良いです。
サラリーマンになるのは、それがダメだった時からで遅くありません。個人的にはそう思います。

5. 仕事は真面目に取り組みすぎると損をする
サボれと言っているわけではありませんが、これはおそらく社会人なら痛感している事実です。
勤勉で真面目であることを美徳としすぎると、自分にだけ負担がのしかかって壊れ、その責任は会社をはじめとして誰も取ってはくれません。
会社では真面目で仕事ができ、反抗もしてこない人に仕事が集中します。
労働の対価は給料ではなくて更なる労働であり、効率化して2時間の作業を1時間で終わらせるようにしても、その空いた1時間で別の仕事を振られます。
つまり、自分の体力の温存を最優先とするなら、馬鹿正直に効率化したことを上司に言うのではなく、黙って効率化して少し余力を残しておいた方が良いです。
もしくは評価を上げるために1.5時間で終わらせるようにしたと言うなど。
そうすると、急に仕事を振られても無理せず対応できます。
会社はこちらが心を壊そうが、うつ病になってその後まともに労働ができなくなろうが、責任をとってくれません。自分で自分の身は守るしかないのです。
特に心は一回壊すと完治するまでに時間もお金もかかります。私自身はうつ病になったことはありませんが、うつ病になった母を間近で見てきて、それは強く感じています。
人生は残機1のスーパーマリオをプレイしているのと同じです(と、好きなYoutuberの方が言っていました)
クリボーがこっちにきたくらいでも十分警戒して、死なないように生きていかないといけないのです。
仕事に限らず、自分を大切に、壊れるくらいなら真面目や勤勉さを自分のアイデンティティーになんかしなくていいです。
最後はありきたりな話になりましたが、これが何より知りたかったことかもしれません。
学校教育で無意識に「真面目はいいことである」「勤勉でいるべきだ」と刷り込まれるからです。
諸先輩方、知りたかったこと、気づいておけばよかったら是非教えてください。
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