資本主義から逃げ出したくなった話。もうこれ以上戦いたくないという本音について

「資本主義から逃げ出したい」というタイトルにも関わらず、私は会社員として働き、お金で物やサービスを交換しながら毎日生きています。

会社員として働いてから、資本主義の中の兵隊として自分はもう頑張れない。そんな風に思うようになりました。

資本主義のトップにいるのは株主です。株主を喜ばせるため、経営者は労働者を使って利益を上げます。

利益とは売上-支出です。つまり利益を上げようと思ったら、支出を削るか売上を増やすかです。

売上を上げるのと支出を減らすこと、簡単なのは支出を減らすことです。

だから、労働者には「辞められない程度のギリギリのお金」しか回ってきません。給料が上がらないのはこのためです。

私個人の話になりますが、前職の会社を辞める時、最後の評価制度で下から2番目の評価をつけられました。

ベンチャー企業だったので評価は直属の上司→事業部長→社長という3段階を経て決まるのですが、上司と事業部長は一番上の評価(5段階中の5)をつけたと言ってくれてたので、不思議でした。

つまり、一緒に仕事をしていた2人が最高評価をつけたにも関わらず、私の業務を直接見てもいない社長の段階で評価が3段階下げられたことになります。

では最後の社長評価でなぜ下げられたのか。理由は少し考えてすぐに分かりました。私が会社を辞めるからです。

辞めることが確定した社員の評価をわざわざ上げてたかだか数万円、辞めるまでの期間高い給料を払うのが無駄だから評価を下げたのです。

実際、社長からの評価コメントを読みましたが、ポジティブな内容だけであり、特に下げられた理由については言及されていませんでした。

また、社長は普段からコストカットを掲げており、業務効率化サービスの解約や安いツールへの乗り換えを全面的に実施していました。

無駄なコストは1円も払わない。これは利益を追求するという観点から言えば合理的な判断かもしれません。

でも、どうせ辞めるからと手を抜かず、頑張って成果を出した私の気持ちには整理がつきませんでした。

そしてこの時から、「会社」というものに対してどことなく嫌悪感を感じるようになりました。

労働者の立場では自分の時間をどんなに切り売りして努力しても、それに見合うだけのリターンは返ってこない。

資本主義の仕組みを考えてみれば当然です。会社は株主のものであり、得た利益は真っ先に株主に還元されます。

資本主義において、労働者はただ株主を喜ばせるために搾取される側の人間です。

そしてこの時から、私は投資をはじめ、「自分も資本主義の恩恵を受ける側に回ろう」と決めました。

私は資産を貯めて、いつかは会社を辞めようと思っています。世間で言うFIREです。

これは私の中で「自由を得たい」という願望を叶えるだけではなく、「利用される側だった資本主義を利用してやりたい」という復讐心にも似た気持ちがあります。

実際、自分でも投資を始めてからというもの、経済学者のトマ・ピケティが「21世紀の資本」という本の中で証明した「r>g」という、「資産収入から得る富の方が労働から得られる富より成長スピードが早い」というのを実感します。

前回の私の昇給額は月数千円程度でしたが、投資では月数十万円ほど増えることがあります(もちろん投資なので減ることもありますが)。r>gを肌で実感した瞬間でした。

頑張って成果を出して評価されて給料が増える額よりも、お金持ちが放置している資産の増え方の方が圧倒的に早いのが資本主義です。

もちろん、資本主義のおかげで私たちの生活は豊かになり、日々のサービスや商品がどんどん改良され、その恩恵を受けているのは理解しています。

でも、労働し、稼いだお金の消費を繰り返すだけでは一生労働から抜け出すことはできないのも事実です。

もしFIREすることができたら、お金を稼ぐことに必死にならなくて良い好きな仕事をのんびりとこなしたり、魚とかを自分で捌けるようになって、できるだけ自給自足に近い生活をしたいなと空想しています。

これも、資本主義的な「利益への徹底追求」「合理性至上主義」に疲れてしまったからかもしれません。

そもそも、常にミスなく最速で作業をしないといけない駆け足感や出世競争、仕事ができない人の愚痴を言い、自分はできる側だと安心する空気感など、「会社」に当たり前に存在するこういったもの全てから距離を置きたいと思っています。

会社不適合者なのは、書いていて自分でも強く感じます。

これ以上戦いたくないな、と思いつつ毎日はやってきますし、明日からも会社員としてまた働くわけですが、いつかこの資本主義の歯車としての労働から逃れる日を夢見て、お金を貯めていこうと思います。

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