【トラウマ必至】映画オタクが本気で選んだサイコパス映画20選
幽霊や悪魔が出てくるホラー映画とはまた一味違った怖さを持つサイコパス映画。
人間の怖さや非現実的と言いきれないところに、底知れぬ怖さがあります。
今回は学生時代レコード屋でバイトをしながら、映画をずっと見漁っていた筆者が本当におすすめできるサイコパス映画を紹介します。
本当に心に残る怖い映画を時間をかけて選定したので、是非参考にしてみてください。
【洋画編】おすすめのサイコパス映画15選
ファニーゲーム
「卵を分けてくれませんか」
あらすじ
ある平和な一家が湖のほとりの別荘にやってきました。
そこに2人組のうちの1人の若い男がやってきて母親にこう言います「卵を分けてくれませんか」と。
母親のアンナは礼儀正しい若者の姿を見て卵を分けてあげますが、男は二度も卵を落としてしまいます。
最初は親切にしていたアンナでしたが、若者はそれでも卵を分けてくれと引き下がらず、父親のゲオルクが平手打ちしてしまいます。
それを境に2人組の男は幼い息子を含めた一家全員を縛りつけ、一家に「明日の朝まで君たちが生きていられるか賭けをしないか?」と持ち掛けるのでした。
ひとこと感想
精神的なキツさで選ぶならダントツでNo.1のこの映画「ファニーゲーム」
映画祭で退出者が続出したというホラー映画ではお決まりの逸話がついて回るこの映画ですが、実はこの映画はグロテスクな描写は一切ありません。
グロ描写なしでそれだけ見る人を選び、心に嫌な後味を残す作品になっているということです。
若者2人の非人道的な行いはもちろん、暴力シーンでのBGMや過度な演出のなさも不気味で怖さを掻き立ててきます。
また、この映画はいわゆる「ハリウッド映画のアンチテーゼ」として作られた作品でもあり、映画的な意義や考察していく面白さを孕んでいるため、その点でも好きです。
ファニーゲームの考察記事に関しては別途書いてるので、ネタバレが大丈夫な方はこちらもよかったら読んでみてください。
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映画「ファニーゲーム」(1997)あらすじ感想 現実と虚構と暴力に関する考察
ナイトクローラー
過激な映像を求めたパパラッチの狂気
あらすじ
ロサンゼルスで定職にもつかず落ちぶれていた主人公のルイスがある日交通事故にあったことをきっかけに、悲惨な映像をテレビ局に売って稼ぐ「ナイトクローラー」と呼ばれる映像パパラッチになります。
過激な映像を要求するテレビ局の期待に応えるうちにルイスは超えてはいけない一線を超えてしまうのでした。
ひとこと感想
この映画を観た方なら全員感じると思いますが、ルイスを演じたジェイク・ギレンホールの怪演がとにかくすごいです。
成功と承認欲求に飢えている狂気の男を演じきっています。
冴えない無職の男が天職を見つけ、良識をなくした途端にビジネスマンとしては成功するという皮肉が込められているのも面白いです。
映画の中でルイスを見ていると「絶対に関わりたくない」と感じますが、SNSが日常化し、事件が起これば真っ先にスマホを向ける人がいる現代社会において、行き過ぎた承認欲求や成功への執着の行き着く先を考えさせられます。
アイデンティティー
ここに集まったのではない。 ここに集められたのだ
あらすじ
嵐の中、モーテルで一夜を過ごすことになった11人の男女。
宿泊客達は1人、また1人と殺害されていき、11人の男女のある共通点が浮かび上がります。
ひとこと感想
「衝撃のラスト」や「絶対に騙される」などのコピーはあまり使いたくないですが、この映画は本当にラストが秀逸です。
映画の本数はそれなりに観てきたつもりでしたが、それでもこの映画のオチは初めて観ました。
あらすじだけ読んだ時は普通のB級ホラーかと思いましたが、そう思わせる前半から後半の展開が怒涛です。
稀に見るどんでん返しサイコスリラーの傑作です。是非、前情報を何も入れずに見て欲しいです。
白いリボン
あらすじ
第1次世界大戦直前の北ドイツを舞台に、教会や学校の指導でプロテスタントの教えを守って暮らしてきた小さな村の住人たち。
ある日、村で唯一の医者が乗馬の帰りに落馬する事故が起こり、そこから次々に不可解な事故が起こっていきます。
やがて落馬は家の庭木と柵の間に細く頑丈な針金が張られていたから起こったものであり、悪質な悪戯によるものだと分かります。
犯人が分からなかったため、村の住人は疑心暗鬼に陥っていきます。
そして、だんだんと被害に遭うのが医者や男爵など上流階級の人間であることからこの村の悪意や不満、嫉妬などが見えていくのでした。
ひとこと感想
カンヌ国際映画祭パルム・ドール、ゴールデングローブ賞外国語映画賞をはじめ多数の映画賞を受賞したこの作品。
監督は先ほど紹介した「ファニー・ゲーム」のミヒャエル・ハネケです。
「白いリボン」とは村の子供たちに「純粋無垢でいること」の印として腕に巻かれるもので、大人からの呪縛の象徴です。
厳しい身分社会や権力者による抑圧の中で生まれた人々の心の歪みが描かれたミステリー作品になっています。
犯人は明確には描かれてませんが、誰がやったのかは分かります。
ただ、その爽快感よりも、村の住人が抑圧による何かしらの負の感情を抱えていて、村の全員が純粋無垢とはかけ離れていそうな嫌な雰囲気がこの映画の後味の悪さになっていると感じました。
ビヨンド・ザ・ダークネス 嗜肉の愛
妻を剥製化する狂気の夫
あらすじ
剥製作りが趣味の青年フランクは最愛の恋人のアンナを病気で亡くしてしまいます。
そんなアンナの死が受け入れられないフランクは、彼女の死体を盗み出して自宅に運び、剥製にしてしまうのでした。
フランクはその後、若い女性を無差別に殺害するようになり、フランクに歪んだ愛情を寄せていた家政婦のアイリスもそれを手伝うようになるのでした。
ひとこと感想
1979年公開のイタリアのスラッシャー映画。
古いのもあって超B級映画なのですが、とにかく主人公の青年とそんな彼に愛情を寄せて淡々と殺人の処理を手伝う家政婦のアイリスがとにかく狂気的です。
怖いのに滑稽に見えたり、どこか主人公に哀愁を感じる部分もあるのもこの映画の魅力かもしれません。
あとサントラに使われてるゴブリンの曲がとてもかっこ良くて不気味さを引き立ててますね。
グロ描写がかなりキツいので耐性ある方のみおすすめです。
ハウス・ジャック・ビルト
アートを作るように殺人を犯す建築家
あらすじ
建築家を目指す潔癖症の男が、ある日、車が故障して困っている女性を助けようとするが、衝動的に殺してしまう。
これをきっかけに、まるで理想の家の建築を追求するかのように、その後12年にも渡って殺人を重ねていく(Wikipedia)
ひとこと感想
世紀の鬱映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で知られるラース・フォン・トリアー監督の2018年公開作。
5つのエピソードを通して、ジャックが「ジャックの家」を建てるまでの軌跡が描かれていきます。
どこかコメディー風に描かれるところや、ラース・フォン・トリアーの映画あるあるの手持ちカメラによるドキュメンタリー風の独特のカメラワークが映画を不思議な世界観に仕立て上げています。
カンヌ国際映画祭では途中退出者続出の問題作でR18に指定されています。グロというよりは重たい映画に耐性ある方のみおすすめです。
セブン
7つの大罪になぞらえた猟奇殺人
1週間後に引退を控えたベテラン刑事の男サマセットは、新米刑事のミルズと共に殺人事件を捜査することになります。
2つの現場には、同様に文字が残されていました。
捜査の中でそれがキリスト教における「七つの大罪」に絡めた犯行と気づき、殺人が続くことを予測しながら犯人を追っていきます。
ひとこと感想
名作だらけのデヴィッド・フィンチャー監督作品の中でも頭一つ抜けて好きな映画です。
ブラッド・ピットとモーガン・フリーマン、ケヴィン・スペイシーとキャストも超豪華で、七つの大罪(暴食・強欲・怠惰・肉欲・傲慢・嫉妬・憤怒)になぞらえた異常者による殺人という設定も面白いです。
なんと言っても1番の見所は世紀のバッドエンドとも思えるラストシーンだと思います。
詳細は省きますが、ブラッド・ピットの怪演と、見る人によってその行為の是非の解釈が分かれるところも含め、映画でしか出すことのできない後味の悪さと面白さが最大限発揮された超名作です。
ゴーン・ガール
誰からも理想のおしどり夫婦と見られていたニックとエイミー。
ですが、結婚5年目の記念日にエイミーは姿を消してしまいます。
幸せそのもののように見えた結婚生活の裏側や、エイミーは何を考えていたのか。だんだんと捜査が進み明らかになっていきますが、ニックはエイミーを殺害した容疑にかけられてしまいます。
ひとこと感想
「セブン」「ファイトクラブ」のデヴィッド・フィンチャー監督の2014年の作品。
視聴者視点だと、だんだんと2人の結婚生活の実態や失踪の真実に近付いていく構成が面白くて、サスペンスとしても良質な名作です。
今まで紹介した映画の中でも、この映画は特にネタバレなしで観た方が絶対に面白いので、是非これ以上の前情報は入れずに観ていただけたらと思います。
es
ドイツで高額なバイトの被験者が募られました。
記者のタレクはその内容を記事にするために潜入することにします。
実験は2週間で、被験者はそれぞれ「看守」と「囚人」役として分けられました。
それぞれ看守役には看守のような格好をしてもらい、囚人には囚人のような格好をしてもらい、刑務所のような場所で過ごすことになります。
そこで過ごすうちに看守はだんだん囚人に対して高圧的になり、暴力を振るい始めます。
暴力はエスカレートし、やがて死者が出て、実験はわずか5日で中止になるのでした。
ひとこと感想
2002年公開のドイツ映画。「スタンフォード監獄実験」という実際に行われた有名な心理実験を基にした映画です。
ただ、この実験を行った心理学者のジンバルドーが看守にサディスティックな振る舞いを指示したり、囚人側が自身が狂ったフリをしていたことを後から証言しているそうで、本当のところは定かではありません。
とはいえこの映画自体は非常に良質なサイコスリラーです。
「規律を守らなかったから」という理由で囚人に屈辱的な罰を与える看守たちは、暴力を正当化し、自分たちの心の奥に潜んでいた暴力的な衝動を解放してるのがとても性悪説的で怖かったです。
少し違いますが、マリーナ・アブラモヴィッチの「リズム0」を思い出しました。
人間は世間の目も法律もない場所で良識のタカが外れた時にどうなってしまうのか。是非考えながら見てほしいです。
エスター
3人目の子供を流産し、その悲しみから立ち直れない妻と夫は、孤児院で出会った9歳の少女・エスターを養女として貰うことにします。
エスターは健気で愛らしい性格の女の子でしたが、次第に周囲で奇妙な出来事が起こるようになります。
そして、やがて彼女の恐ろしい本性が明らかになっていくのでした。
感想
2009年に公開され、公開から10年以上経った今でも根強い人気を誇る映画。
こちらもどんでん返しの代表的な作品ですが、兎にも角にも子供という無意識に「安全」だと思っているキャラクターが「危険」である怖さがあります。
中でもエスターの狂気と、その背景、そして少しだけ哀愁のあるところがただのサイコスリラーではない魅力を感じさせます。
アメリカン・サイコ
エリートサイコパスの悲しい末路
あらすじ
マンハッタンのウォール街にある投資会社に勤めるパトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)。
容姿端麗でエリートのパトリックには綺麗な婚約者も居て、非の打ちどころのない人生です。
しかし、そんな完璧な生活を送る彼には影があり、夜になると殺人への衝動を抑えることができないのでした。
ひとこと感想
クリスチャン・ベールの怪演が光る名作「アメリカン・サイコ」
ただのエリート殺人鬼を描いた映画ではなく、この映画の本質は人間関係の希薄さ、無関心を描いています。
象徴的なシーンとして「名刺バトル」のシーンがあります。
このシーンでは同僚たちと誰の名刺のデザインが一番イケてるかを比べます。
フォントや紙の材質などで必死に勝負してるのですが、このどんぐりの背比べ的な名刺バトルは、いかに彼らが周囲の人間と同質化していて、希薄な関係を築いているかを比喩的に表現しています。
また、殺人衝動を抑えられない主人公のパトリックですが、だんだん内なる自分の狂気に気づき、止めてほしいと願うようになるのがどこか悲しく感じてしまうのもこの映画の魅力です。
ムカデ人間
外科医が抱く異常な欲望
シャム双生児の分離手術をしていた医者のヨーゼフにはある野望がありました。
それは人間同士を繋げて「ムカデ人間」を作り出すことです。
そのためにヨーゼフはたまたま見かけた日本人男性を気絶させて自宅に連れていき、監禁していました。
しかし、その後はなかなか監禁できそうな人間を見つけることができません。
そんな中、旅行中にレンタカーのタイヤがパンクしてしまった二人組の女性がそのヨーゼフの家を訪れてしまうのでした。
ひとこと感想
有名な映画ですが、この1作目はサイコスリラーとしてはかなり良質な映画だと思います。
主人公の純粋な知的好奇心からくる狂気が最大の見所です。
このヨーゼフという博士には人間を痛めつけて拷問してやろうみたいな気持ちがあるわけではなく、ただ単純に「ムカデ人間を作る」ということに対して手段を選ばないだけなのです。
そのサイコパス度の高さと不気味さが、グロ描写などはそこまでなくともこの映画の怖さなのではないかと思いました。
ただ、観る人はかなり選ぶ作品なので少しでも不安な方は観ない方が良いと思います。
羊たちの沈黙
言わずと知れたサイコスリラーの金字塔
あらすじ
連続殺人事件を任されたFBI訓練生のクラリス(ジョディ・フォスター)
クラリスは連続殺人犯「バッファロービル」の人物像を見出すために、かつて9人の患者を惨殺して食べた天才精神科医のハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)に助言を得るように命じられます。
ひとこと感想
この映画の魅力はたくさんありますが、猟奇殺人鬼でありながらIQは160〜200と言われている圧倒的な知性を持つハンニバル・レクターのカリスマ性は外せません。
そして、もちろん事件を解決するというミステリー要素が大筋ではありますが、クラリスがトラウマと向き合いながら女性として受ける抑圧にも負けずにFBI捜査官として大成していく過程も見応えがあります。
そんなクラリスがレクターの元へ通ううちに生まれる、不思議な関係にも惹かれます。
ホステル
あらすじ
アメリカ人大学生・パクストンとジョッシュはヨーロッパ旅行をしていました。オリーという男性も加わり、3人で女あさりを楽しみます。
すると「スロバキアプラティスラバのホステルに行くと綺麗でアメリカ人好きの女性がたくさんいる」という噂を聞き、3人はそこへ行くことにします。
噂は本当で、3人は女遊びを心ゆくまで楽しみましたが、その後オリーがいなくなり、やがてジョッシュもいなくなります。
パクストンが行方を探すとある廃墟に案内されるのですが、そこは金持ちが殺人を楽しむための館なのでした。
ひとこと感想
制作総指揮クエンティン・タランティーノの2006年公開のホラー映画。
監督はイーライ・ロスで、「グリーン・インフェルノ」などでも知られています。
ホラー映画だと定番の構成ですが、主人公たちを取り巻く環境が「快」→「不快」へと一気に突き落とされるように変わるのは見応えがあります。
「金持ちが殺人を楽しむための館」に連れて行かれるという設定上、グロ描写もかなりキツいです。耐性のない方にはおすすめしません。
反対に、ストーリーの中に考察する要素がたくさんあるという作品ではないので何も考えず超怖いサイコスリラーが観たい方にはおすすめです。
ミザリー
あらすじ
作家のポール・シェルダンは、雪道で事故に遭ってしまったところを近くに住んでいたアニーという女性に助けられます。
アニーは元看護師で、ポールの「ミザリー」というシリーズ小説の大ファンでした。
しかし、ポールが出そうとしている新作の展開が気に入らないことからアニーの行動は異常なものへと変化していきます。
ひとこと感想
スティーヴン・キング原作の小説をロブ・ライナーが映画化した今作。
暴走するファン心理の恐怖と、両足を骨折して身動きが取れず山奥に閉じ込められているというシチュエーションがより恐怖を増幅させています。
アニーを演じ、アカデミー賞主演を受賞したキャシー・ベイツの怪演も見ものです。
【邦画編】おすすめのサイコパス映画5選
ヒメアノ〜ル
あらすじ
ビル清掃会社で契約社員として働く青年。お人よしの彼には夢も希望もなく、退屈で孤独な毎日を送っていた。
そんなある日、恋する同僚から女性への取り次ぎを頼まれた彼は、彼女が働いている職場へと向かう。
しかし、彼はそこで高校時代に過酷ないじめを受けていた同級生と再会する(Wikipedia)
ひとこと感想
何と言っても強烈な印象を残すのはサイコパス殺人鬼の森田正一を演じた森田剛です。
ジャニーズが出ているというだけで映画好きから敬遠されてしまうこともあるのかもしれませんが、アイドルであることを忘れさせるリアルかつ恐ろしい豹変を見せてくれます。
また、前半はほのぼのとするような恋愛がストーリーの中心なのですが、開始40分位でタイトルと不吉な音楽がかかり、そこから物語が一気にサイコスリラーへと変貌していく展開がとても面白いです。
凶悪
人の死を金に変える錬金術師の”先生”
あらすじ
「明朝24」の記者をしている藤井修一(山田孝之)は、ある死刑囚から手紙をもらいます。
差出人の須藤(ピエール瀧)の面会に行った藤井は、誰にも話していない3件の余罪と、首謀者の“先生”という男の存在を打ち明けられます。
藤井は上司にその話をしても記事化できないと言われてしまうのですが、やがてのめり込むように調査を進めるのでした。
ひとこと感想
実際に起こった「上申書殺人事件」をもとに、死刑囚が告発した内容や調査の経緯を描いたノンフィクション小説が原作になった映画「凶悪」
リリー・フランキーが演じた人の死を何とも思わないインテリヤクザの”先生”の怖さがとにかく心に残る映画でした。
また、事件の経緯だけではなく、主人公の藤井が家庭を全く顧みず調査を進めている様子が描かれているのも面白かったです。
黒い家
あらすじ
生命保険会社の主任を務める若槻は、菰田重徳という男から電話を受けて訪問すると、菰田家の息子・和也の首吊り死体を発見します。
重徳は以前から「指狩り族」として、自らの指を欠損して保険金を支払わせることでマークされていたので、偽装殺人なのではないかと疑います。
次は奥さんが危ないのではと、若槻は重徳の妻、菰田幸子に重徳に注意するよう伝えるのですが、その後に重徳が肘より下を欠損した状態にったことから、本当にサイコパスなのは妻・幸子の方だと気が付くのでした。
ひとこと感想
「悪の経典」などで知られる貴志祐介原作の小説を映画化した1999年公開作。
保険金をもらうためには手段を選ばないサイコパス夫婦に巻き込まれる話です。
幸子を演じた大竹しのぶの演技がとにかく怖く、自分の旦那の肘から下がなくなった状態で「保険金いつおりますの?」と空虚な目で聞くシーンが特に印象的でした。
怒り
あらすじ
ある夏、八王子市内で夫婦の殺人事件が起こります。
家の中には「怒」の血文字が残されていて、被疑者である山上一也は整形をしながら全国を逃亡していました。
東京、千葉、沖縄の3箇所でそれぞれの物語は進行し、誰が山上なのか、自分の近くにいる人は殺人犯なのかが描かれていきます。
ひとこと感想
2016年に邦画史上類を見ない豪華キャストで公開された映画「怒り」。
原作は吉田修一で、監督は「フラガール」でアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した李相日です。
この作品は千葉と東京、そして沖縄で起こっている物語が少しずつ進んでいき、誰が犯人なのかがだんだん明らかになっていく構成になっています。
そして、漠然とした「怒り」が引き起こす恐ろしさ。主人公のどこまでも純粋に残酷すぎる行為にひたすら悲しい気持ちになる映画でした。
また、近くにいる人を信じることの難しさについても繊細に描写されています。
冷たい熱帯魚
あらすじ
娘と3人で暮らす社本家の家庭は冷え切っていました。
そんな中、娘の美津子が万引きをしたとして、スーパーから怒りの電話がかかってきます。
そこに村田(でんでん)が現れ、事態を丸く収めてくれます。
村田夫妻は大きな熱帯魚のショップを運営しており、社本家も熱帯魚を販売していたことから両家は交流を持つようになりました。
「一緒にビジネスをしよう」と持ちかけられ、話を聞きに行くと村田と吉田という男が口論を始めます。
村田は本性を現し、吉田に毒入りのドリンクを飲ませて殺害するのでした。
そして、社本にも死体処理を手伝わせ、犯罪に加担させていきます。
ひとこと感想
園子温監督の2011年公開作品。
元になったのは実際に起こった「埼玉愛犬家連続殺人事件」で、ペットショップを運営する夫婦が詐欺を隠蔽するために何人もの人を殺害していたという事件です。
「ボディを透明にする」という隠語を使って簡単に人を殺害しては死体を処理する村田(でんでん)のサイコパス具合と狂気がとにかく怖いです。
ちなみにR18指定作品になっています。
そして巻き込まれていく主人公と、その主人公の変貌具合も怖いです。