仕事ができない人間の生存戦略。働きたくない人間が資本主義社会で生きていくために。

新卒で入社した時、私は自分が仕事ができる人間だと信じていました。

私はIT系のベンチャー企業でインターンをし、そのままその会社に内定をいただき就職する形になったのですが、当時は社員の方からもおそらく「大学生にしては及第点レベルの成果も出してる」という評価だったようです。

元々、自分に自信がないタイプだったのですが、「もしかしたら自分は仕事ができるのかもしれない」と、仕事に対して少しだけ自信を持てるようにになっていました。

実際、社員になってからもそこそこ成果を残すことができました。「自分は本来能力がないから、頑張らないと成果が出せない」と思っていたのもあり、どこか本来の無能な自分がバレないよう必死に頑張っていたのもあると思います。

そんなこんなで社会人を続ける中で、ふと「いつまでこの人生は続くんだろう」と思いました。今、社会人5年目になります。

社会人の方なら誰しも一度は、いや何百回も思ったことがある方が多いと思います。

私は、自分の今の評価が「若いけどそこそこできる」程度のものであったことにも気づき、途端に怖くなりました。

特に、私は大手企業に転職してからというもの、自分より優秀なメンバーだらけの中で、「自分って大して仕事できないんだ」という挫折に近い感情を抱きました。

年上の上司や先輩社員も皆優秀で、自分が今の状態のまま普通に働いていたら、おそらく出世は無理だと悟りました。

自分自身の気持ちとしても、そこまで出世に対して前向きになれないのも本音でした。

管理職になれば、残業代は出ず、給料は上がるものの責任や業務範囲、プレッシャーが段違いであることがわかっています。

若いうちは平社員のままで良いかもしれませんが、私はメンタルがそこまで強い方ではないのでおそらく40代で管理職になれてない自分に自己嫌悪を感じると思います。

そこで考えた生存戦略が、40代になる前に資産形成をすることでした。

私は自分のような仕事が嫌いで、仕事ができない人間こそ本気で資産形成をして、最悪会社からいつでも逃げれる状態を作っておくことが1番の生存戦略だと思っています。

最近「投資うさぎ」さんというアニメーションで投資について教えてくれるYoutuberに最近ハマっているのですが、その中にこんな動画を見つけました。

「会社適合者」の人間と、「会社不適合者」の人間の会社員人生の話です。

「会社クエスト」(評価され出世し、会社という塔の最上階(役員クラスへの出世)を目指す)で挫折した会社不適合者の人間が、出世ではなく資産形成に人生の目的を変えたという話です。

資産が大きくなるにつれて、会社での理不尽な出来事が気にならなくなったり、評価されないことにもストレスを感じなくなる主人公の生き方は、まさに仕事ができない会社不適合者の最適解だと思います。

もちろん、タダでさえ辛い思いをして働いているのに節約もして楽しみを先送りにするなんて…という方もいるかもしれません。

でも、資産は一度作ると自分の強い味方になります。最悪会社を辞めても大丈夫」「しんどくなったら逃げても生きていける」そう思えるようになります。

お金は物と物の交換券だけではなく、自由への土台です。

私は1万円を見ると、「これは時給が2,000円だとすると、5時間働かなくて良い権利の引換券」だと感じます。

投資をするようになってからは、「年間1万円の配当金を資産から得ようとすると約25万円必要(利回り4%計算)。つまり25万円分の価値がある」と思うようになりました。

大切な人との楽しい時間を犠牲にしてまでお金を貯める必要はないですが、コンビニで買うお菓子、コーヒー代、無駄なサブスクなどなど、自分にとって大した幸福にもつながらない出費は極限まで削り、少しでも貯めておくことをお勧めします。私はそうしています。いつまでも戦えない、弱者としての自覚があるからです。

そもそも出世を目指すのは何のためでしょうか。答えは、給料を上げるためです。

ではなぜ給料を上げないといけないのか。生活をするのにお金が必要だからです。言うまでもなく当たり前の話です。

つまり、ある程度まとまった資産を作ることに成功すれば、お金の問題がクリアになり、出世する必要がなくなります。

40半ばまでの早期退職を目指せば、最悪管理職になれず、自己否定の毎日を送るような自分を見ることもありません。そうなる前に逃走準備を完成させてくのです。

私は、仕事が嫌いなタイプですし、日曜日の夜が毎週憂鬱です。

定年まで働いたことを想定し、月曜日があと何回来るのか電卓で叩いて絶望しました。私はまだ20代半ばなのであと2,000回以上あります。

死ぬまで、2,000回以上この日曜日の夜を迎えないといけないのか。自分の人生って一体何なのだろう。そう思いました。

資産を貯めていつかは辞めるということを決めてから、会社では「自分の精神の健康を損なわないこと(無理な仕事、残業はしないなど)」「ミスに気を付け、与えられた目標だけは必達すること」これだけを意識して、それ以外の仕事はしないことを決めました。

意外と、「一応やった方が良いんじゃない?」的なノリで、優先度も精査されず適当に仕事が振られることはよくあります。

そういう仕事はできるだけ後回しにし、自分の目標達成につながる仕事を最優先で取り組みます。(もちろん迷惑がかかる人がいない前提ですが)

会社には「売り上げ⚪︎億円」のような最も優先すべき大きな目標があり、それを細かく役割分担し「業績目標」として現場のメンバーまで落とし込みます。

つまり、自分に与えられた目標達成につながる仕事こそが全ての業務の中で最も優先されるべき仕事です。

また、評価する時も基本的には「目標達成できたかどうか」で決まります。つまり、そこでとんでもなく悪い評価を叩き出さないように気を付けて生き残ること。これが目標になり気が楽になりました。

会社員として安定的に入ってくる給料をできるだけ貯金・投資に回し、少しでも働く時間を短くする。これは「生涯ずっと仕事をしていたい」という方以外、全員がやるべきだと個人的には思っています。特に、仕事が嫌いな方は尚更です。

幸福度を下げずに支出を削る方法に関しては、私はYoutubeでとにかく学びました。

今は良い情報を発信してくださる方がたくさんいます。そんな時代に生まれて本当によかったです。

私がやっている節約についてはこちらの記事に書いたのでよかったら参考にしてみてください。

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最後になりますが、仕事が好きで、その中で自己実現をしてバリバリ生きていきたいと思える方は本当にすごいと思っています。

ただ、私をはじめ、おそらく多くの方がそうはなれていなくて、毎日「行きたくないなぁ」と思いながら会社に行っていると思います。

そして、そういう人たちに対するソリューションとして、一般的には「仕事ができるようになる方法」とかそういうテクニックが出てきます。

実際、Googleで検索しても「飲み会に参加して上司と仲良くなれ」とか「コンビニでお菓子を買って皆に配れ」みたいな話が出てきました。

仕事ができないなら貯金しろ」というのはあまり馴染みがないと思います。

でも、私はこれが自分にとっての最適解であると確信できた瞬間に一気に人生の見え方が変わり、漠然とした不安が少しだけ軽くなりました。

もし、出世したくないのなら。働きたくないのなら。自分を押し殺して必死に仕事ができるように頑張るより、貯金・投資して逃げ切る戦略もひとつ選択肢として検討してほしいなと思っています。

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