シティ・ポップのおすすめ名盤13選ー今でも色褪せない人気を誇る名盤を紹介

シティ・ポップとは1970年代〜80年代に流行した都会的に洗練された音楽のことであり、明確な定義はありませんが昨今若者からも人気になりつつあるジャンルの一つです。

ファンキッシュなグルーヴのものから、ゆったりとしたフォークソングやバラード調のものまであり、ムードそのものを指しているとも言われています。

海外で特に根強い人気のある日本のシティ・ポップ。今回はそんなシティ・ポップの定番の名盤を13選紹介します!

大瀧詠一「A LONG VACATION」


1981年にリリースされた大瀧詠一の5枚目のスタジオアルバム、「A LONG VACATION」

はっぴいえんどの活躍でも知られる大瀧詠一ですが、ソロ名義としてはなかなかヒット作を作ることができずにいました。

「A LONG VACATION」はそんな大瀧詠一が商業的成功を掴んだ起死回生の一枚であり、今ではシティ・ポップを代表するアルバムになりました。

このアルバムの聴きどころはなんと言ってもナイアガラ・サウンドと呼ばれている楽器や声が何層にも重なり合わさったアレンジで、爽やかでノスタルジックな響きが心地良く、今でも新鮮に感じることができます。

おすすめトラック:「君は天然色」

 

シュガー・ベイブ「SONGS」


1975年に大瀧詠一主催のナイアガラ・レーベルからリリースされたシュガー・ベイブのアルバム「SONGS」。

シュガーベイブは商業的に成功することもなく1976年に解散しましたが、山下達郎や大貫妙子のソロ名義での活躍によって現在ではシティ・ポップの重要バンドとして知られています。

「DOWN TOWN」や「今日はなんだか」などの一度は聞いたことのある名曲を聞くと45年前とは思えない新しさで溢れています。

「SONGS」と付けたのはせめて一度でいいから曲を聴いてほしいという願いから来ているそうで、セールス的には低迷していても、音楽に対して真摯に向き合っていたからこそ今では色褪せない名盤になっているように感じられます。

おすすめトラック:「DOWN TOWN」「今日はなんだか」

 

大貫妙子「SUNSHOWER」


1977年に発売された2枚目のスタジオアルバム。

YMO結成前の坂本龍一やクリス・パーカーを迎えて制作されたアルバムで、このアルバムも当時は現在のように高く評価されていた訳ではありませんでした。

再評価されたのは90年代の渋谷系と呼ばれるジャンルが台頭した頃で、70年代80年代の音楽が発掘され始め、その文脈で再評価されたと言われています。

フュージョン・クロスオーバー期の日本ロック史に残る都会的で洗練された名盤です。

おすすめトラック:「くすりをたくさん」

山下達郎「FOR YOU」


1982年に発売された通算6枚目のスタジオアルバム。

山下達郎の全盛期の作品の一つで夏らしい爽やかさとファンキーなグルーヴが癖になる1枚です。

海外からの人気も高いアルバムで、ミドルテンポのシティポップの名曲が詰まっています。捨て曲なしの名盤です。

おすすめトラック:「Sparkle」「Futari」

鈴木茂「BAND WAGON」


はっぴいえんどのメンバーとしても知られる日本のロックシーンを代表するギタリスト、鈴木茂のソロ名義としては1枚目のアルバム「BAND WAGON」。

今作はサンタナのダグ・ローチ(ベース)やスライ&・ファミリー・ストーンのグレッグ・エリコ(ドラム)など、豪華なメンバーを迎えて制作されています。

松本隆による詞も秀逸で、洗練されたサウンドと詩的な歌詞を楽しめる名盤です。

おすすめトラック:「砂の女」「100ワットの恋人」




荒井由実「14番目の月」


1976年に東芝EMIからリリースされた4枚目のオリジナル・アルバム「14番目の月」

荒井由美の初期を代表するアルバムで、「中央フリーウェイ」 や、「朝陽の中で微笑んで」のような言わずと知れた有名曲が収録されています。

ギターに松原正樹と鈴木茂、コーラスには山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子、尾崎亜美、ベースはジェイムス・テイラーなどのサポートにも参加しているリーランド・スカラーが参加し、更には細野晴臣がスティール・ドラムを担当しています。

特に複雑なコード進行ながらポップな仕上がりとなった「中央フリーウェイ」は、夜の中央高速から見える美しい都会の夜景がすぐそこに思い浮かぶような描写と相まったシティ・ポップの代表曲と言えます。

おすすめトラック:「中央フリーウェイ」「朝陽の中で微笑んで」

松原みき「POCKET PARK」


1980年にリリースされた初のオリジナルアルバム「POCKET PARK」。

シティポップ的な楽曲だけでなく、歌謡曲やハードロック調の楽曲まで織り込んだアルバムになっています。

代表曲「真夜中のドア~Stay with me」も収録されていて、当時20代だったにも関わらず歌唱力の高さにも定評がある作品です。

「真夜中のドア~Stay with me」は発売から40年以上経った現在でも、世界92か国のApple MusicのJ-Popランキング入りするなど、時代を超えてシティポップファンに愛されている名曲です。

おすすめトラック:「真夜中のドア~Stay with me」

竹内まりや「Variety」


1984年に発売された竹内まりやの6枚目のアルバム。プロデュースは山下達郎が手掛けています。

アイドルとして活動もしていた竹内まりやがシンガーソングライターとして帰ってきたアルバムでもあり、全曲の作詞作曲も手掛けています。

今までは他者からの楽曲提供がほとんどだった竹内まりやでしたが、山下達郎が竹内まりやのデモ音源を聴いてあまりのクオリティーの高さに驚き、初の全曲作詞作曲が実現したそうです。

おすすめトラック:「もう一度」「プラスティック・ラブ」

杏里「Timely!!」


1983年に発売された6枚目のアルバム「Timely!!」。

角松敏生が杏里を初フル・プロデュースしたアルバムで、角松三部作の1枚とも言われています。

発売当時からヒットしたアルバムで、夏のビーチや都会の夜を思わせる煌びやかなサウンドが特徴的です。

おすすめトラック:「悲しみがとまらない」



ティン・パン・アレー「キャラメル・ママ」


細野晴臣(Ba&Vo)、鈴木 茂(Gu&Vo)、林 立夫(Dr)、松任谷正隆(Key&Vo)の4人で1973年に結成されたキャラメル・ママを前身としたバンド、ティン・パン・アレー。

はっぴいえんどやYMOのメンバーをはじめ、ユーミンのプロデューサーとしても知られる松任谷正隆など、70年代の邦楽に詳しい人なら説明不要なくらい豪華なメンバーで結成されたバンドです。

「キャラメル・ママ」は1975年に発売されたティン・パン・アレーの1stアルバムで、才能溢れるメンバーたちが純粋に音楽を楽しんでいることが伝わるセッションになっているように感じられます。

超絶技巧が伝わる「CHOPPERS BOOGIE」や、切なく綺麗なメロディーが印象的な「ソバカスのある少女」は必聴です。

おすすめトラック:「ソバカスのある少女」「CHOPPERS BOOGIE」

ブレッド&バター「バーベキュー」


上で紹介したキャラメル・ママのメンバー(細野晴臣、鈴木茂、林立夫)に加え、サディスティック・ミカ・バンドの小原礼も参加したブレッドバターの傑作3rd「バーベキュー」。

山下達郎がカバーしたことでも知られている名曲「ピンク・シャドウ」も収録されています。

美しいコーラスとファンキーなグルーヴやフォーク・ギターの音色が心地良い曲が収録されています。

フリッパーズ・ギターが好きな人には特に「ピンク・シャドウ」は是非一度聞いてほしいです。

おすすめトラック:「ピンク・シャドウ」

吉田美奈子「LIGHT’N UP」


1982年に発売された9枚目のアルバム「LIGHT’N UP」

吉田美奈子はアルバムの枚数も多いですが、その中でも昨今のシティポップブームに伴ってこのアルバムは人気が高い作品になっています。

特に1曲目「LIGHT’N UP」のようなファンキーな楽曲から2曲目「頬に夜の灯」の美しいバラードの流れが素晴らしいです。都会の温かみのある生活感と洗練されたサウンドが印象的な1枚。

おすすめトラック:「LIGHT’N UP」「頬に夜の灯」

小坂忠「ほうろう」


1975年にリリースされた小坂忠のアルバム「ほうろう」。

ティン・パン・アレー、細野晴臣(B)、鈴木茂(G)、林立夫(Ds)、松任谷正隆(Key)の4人がレコーディング・メンバーとして参加しています。

日本のソウル・ミュージックの金字塔的なアルバムとしても知られているこのアルバムはR&B色が強く、ファンキッシュながらもメロウで内省的な雰囲気に溢れた1枚です。

おすすめトラック:「ほうろう」

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