人生が辛くなった時に聴いてほしい曲15選

ギリギリの精神状態の時に出会ったドンピシャな曲は、人生の中でも特別な1曲になることが多い。

筆者は人生で辛くなかった瞬間の方が圧倒的に少なかったため、いつも音楽が手放せなかった。

今回は、辛い時に少しでも「この曲に出会って救われた」と感じてもらえるような曲を紹介していきたい。

筆者の好みで、どちらかと言うと無理やり前を向かせようとする曲よりも一緒に寄り添って落ち込んでくれるような曲をメインで選んでいるので、その前提で読んでもらえたら嬉しい。

The Jesus and Mary Chain「Darklands」


天国でも地獄でもない場所を「Darklands(闇の国)」と喩えて、そんな何も無い場所に行きたいと願っている人の曲。

The Jesus and Mary Chainの2ndアルバムの収録曲で、フィードバックノイズばかり鳴らし、ライブでは暴動が耐えなかったことから「第二のピストルズ」なんて言われていたThe Jesus and Mary Chainがクリーンなサウンドに転換し、自分自身と向き合って出てきた曲になっている。

特に好きなフレーズを紹介させて欲しい。

僕が思うに 天国はあまりに地獄と近すぎる

天国と呼ばれる場所さえきっと地獄と紙一重だからと信じれない、だったら何もない場所に行きたい。という気持ちは無気力な時にこそ共感できる。

この曲は特に言いようのない不安や、孤独、無気力を感じた時に是非聴いて欲しい。一周回って逆に元気が出る。

New Order「Sub-Culture」

現存するバンドの中で一番好きなバンド、New Orderの中で一番好きな曲を紹介したい。

「Sub-Culture」はイントロの電子音からバッドエンドの物語のエンドロールかのような哀愁があって、とにかく悲しい曲。学生時代、誰もいない夜の公園でよく1人で聴くのが好きだった。

こんな状態から何を得られるって言うんだろう? いつだって頑張っているのにいつだって上手くいかない」っていうサビの歌詞にとにかく救いがない。

New Orderの演奏(バーニー)が下手くそなのは音楽好きにはよく知られていることなのだけど、そんな拙さが不安定な精神状態みたいで、独特の説得力を持っているようにさえ思えてしまう。

the HIATUS「Twisted Maple Trees」


ELLEGARDENの細美武士が立ち上げたプロジェクト、the HIATUSの初期の楽曲。

個人的な好みで言うとエルレよりもハイエイタスの方が好きなのでよく聴いていた。

この曲は夜の森の中を徘徊しているみたいに無機質なギターのリフがずっと一定のリズムで鳴っているけど、後半にかけて一気に感情が爆発するみたいに盛り上がる。

この曲は「誰かを傷つけてしまったことに対する後悔」が歌われた曲で、歌詞で言うと特にこの部分が好き。

You shade your face
君は顔を曇らせて

And murmur something like
ぼそっとつぶやく

“Should I regret the color of my dress”
「違う色のドレスにすればよかったのかな」

You are fine
大丈夫だよ

I’m wrong
間違ってるのは僕なんだ

It’s always on my side
いつも僕の側の問題なんだ

You can not forgive me
君は僕を許すことができない

ドレスの色が好きじゃないと誤解させてしまったなんてとても些細なことだけど、人間関係はとても繊細で、こういう些細なすれ違いの積み重ねで取り返しのつかないことになる。

そして最後の「君は僕を許すことができない」という終わり方も、もう二度と伝えることができない後悔の感情がやるせなく漂っていて心が抉られる気持ちになる。

後半の激しいギターはそういう後悔の感情がそのまま昇華されたみたいな音で、誰かを傷つけてしまい行き場がなくなってしまった時に聴きたい曲。

Radiohead「Let Down」


綺麗なアルぺジオが特徴的なRadioheadの人気曲。

壊れながらも旋回を続ける飛行機と死にかけの虫がオーバーラップされて描写されたこの曲は、自分の人生みたいだと言うと大袈裟に思われるかもしれないけど、とにかく自分がとんでもなく惨めに思えたり、何もかもどうでも良くなった時に聴いて欲しい。

そんな行為さえ「感傷的になるな、結局いつもの戯言だ」というフレーズにあるように全く無意味で気の迷いと紙一重のことなのかもしれないけど、それでもこの曲だけはそんな暗い部分と同じテンションでいてくれる気がする。

スピッツ「正夢」


離れてしまった好きな人との再会をずっと夢に見てる人の曲なのだけど、失恋の辛さ以上にそんな自分がおかしいということを自覚しながら壊れていくところが美しくて悲しい。

サビの歌詞を見て欲しい。

どうか正夢 君と会えたなら
何から話そう 笑ってほしい
小さな幸せ つなぎあわせよう
浅いプールでじゃれるような
ずっと まともじゃないってわかっている

最後の「ずっと まともじゃないってわかっている」で一気に突き落とされる感覚があまりにも「人生」で、現実逃避をしていると分かっていながらも見続けてしまう幻想に囚われた時に聴きたくなる。

The Smashing Pumpkins「Today」

冒頭でいきなり「今日が人生の中で一番素晴らしい日だ」なんて言うから、楽しい一日を過ごした後の夕暮れに聞くような曲なのかと思って歌詞を見たら全然違くてびっくりした記憶がある。

そしてこの曲が自殺する1日前の心理状態を歌った曲であり、明日が来ないからこそ「明日が待ちきれない」と歌っているのだと気がついた。

実際にボーカルのビリーコーガンはこの時ニルヴァーナとパールジャムの成功によって鬱になっていたみたいだけど、この曲について「あれは自殺に関するひねくれた観察のようなものなんだけど、歌詞の裏にある本質は、君がありのままなら毎日は最高だってことなんだ。」とコメントしている。

個人的には死のうと思っているからこそ何でもできると感じる瞬間があるなら毎日そうやって生きてていいんじゃないか、自殺は選択肢として残しておいてとりあえず生きていけばいいんじゃないかと思える曲。

BUMP OF CHICKEN「プレゼント」


BUMPは中学の頃から22歳の今現在まで聴いているからなんだかんだもう10年近く聴いている。

世界に誰もいない気がした夜があって
自分がいない気分に浸った朝があって
目は閉じてる方が楽
夢だけ見ればいい
口も閉じれば呆れる嘘は聞かずに済む

この曲は心を閉ざしてしまっているけど、本当は誰かがやってきてくれるのを心の底から待っている人の歌だ。

上で紹介した歌詞の中でも、特に「口も閉じれば呆れる嘘は聞かずに済む」ってフレーズがすごい。ここで嘘をついているのは周りの人間じゃなくて、自分だってことに本当は気が付いているのが分かる。

このままだっていいんだよ
勇気も元気も生きる上では無くて困る物じゃない
あって困る事の方が多い
でもさ壁だけでいい所にわざわざ扉作ったんだよ
嫌いだ全部好きなのに

そして極め付けはこの歌詞。初めて聴いた時に自分みたいな、不器用な人間の生き様を全て肯定してくれるかのような歌詞だと思った。

「壁だけでいい所にわざわざ扉を作る」という感覚は、自分から拒否しておいて、本当は誰かが必要でたまらないって心情を一度でも抱えた事のある人ならきっとすごく刺さると思う。少なくとも自分はそうだった。

そしてそんなぐちゃぐちゃの心境が「嫌いだ全部好きなのに」という叫びに集約されている。本当に上手く生きれないと感じている全ての人のための曲だと思う。

the pillows「ストレンジカメレオン」


the pillowsを好きになるきっかけになった曲。

元々自分達の音楽が売れない苛立ちと、それでも聴いてくれるリスナーに対しての思いを歌った曲だけど、一つのラブソングとしても受け取ることができる曲になっている。

タイトルの「ストレンジカメレオン」は「周りの色に馴染めない出来損ないのカメレオン」というフレーズで歌詞の中に登場していて、本来人間は周囲の環境に適応して自分の色を変えられるはずのカメレオンなのに、そういう世渡り上手的なことが自分にはできないという意味で使われている。

周囲に馴染めない自分とそんな中で出会えた人との喜びと、それがいつか過去になってしまうことや、ある意味ではその人との出会いも無意味だったことなのかもしれないと考えてしまうことの悲しさが詰め込まれている。

もしも全てが嘘で ただつじつま合わせで
いつか慣ついていた猫は お腹すかしていただけで
すぐにパチンと音がして 弾けてしまう幻でも
手の平がまだ暖かい

いつか慣ついていた猫はお腹すかしていただけで」というフレーズがあまりにも悲しくて全開に心を抉られてしまう。

ピロウズの音楽は現実や社会からどこか遠い場所にあって、それがピロウズの音楽の純度を保っているような気がして好きだった。社会にとっては無価値であるが故に自分だけの特別なもののように感じられるのかもしれない。



Deerhunter「Nothing Ever Happened」


大学受験期に聞いていた曲。ヘンテコなメロディーとノイズっぽいサウンドがかっこいいなって思って聴いていたけど、「僕の人生は何も起こらない 人生はただ瞬き通り過ぎていくだけ」とサビで歌われていて更に好きになった。

今考えると良くこんな曲を聴きながら、明るい将来を夢見てするものである受験勉強を頑張れたなと思う。この曲に心底共感していながら、人生を全然諦めきれていないのが突きつけられたような気がする。

でも今思えばそんな負の感情をこういう曲が代弁してくれていたからこそ何かしらのエネルギーになっていたような気がしなくもない。

きのこ帝国「退屈しのぎ」

きのこ帝国で一番好きな曲。きのこ帝国の初期の楽曲は過去に対する後悔や無気力さを歌ったものが多くて、今のきのこ帝国も好きだけど当時のきのこ帝国が本当に大好きだった。

「退屈しのぎ」は四畳半的な空間の中での自堕落な生活が目に浮かぶ曲で、特に間奏のギターで叫ぶように始まるフィードバックノイズがかっこいい。

「唐突に始まるお前の昔話」っていうフレーズには恋仲になった相手にだけ抱く独特の軽蔑のような感情が込められていて、続く「冴えないノンフィクションの結末を握っているお前の手は冷たいから嫌だ」という歌詞でも、そんな相手に対する諦観が詰まっている。

大事だった人から自分も同じように思われているんだろうな、と悟る時の悲しい瞬間がこの曲を聴いた時だけは供養されるような気がする。

Ride「Vapour Trail」


とても恥ずかしい言い方をすれば私的No.1失恋ソング。

英語が感覚的に理解できないから洋楽で歌詞が良いかどうかなんて正直あんまり分からないんだけど、それでもこの曲の詞が良いのは分かる。

タイトルの意味は「飛行機雲」で、青々とした空に走っていく飛行機雲の描写とRide特有のキラキラシューゲイザーが凄くマッチしている。

強烈な印象を残したかと思えば、君はすぐに消えてしまった」という出だしから「僕の人生の時間は全て君のものなんだ/ 僕たちが愛を示し合うにはいつも時間が足りなすぎる」って歌詞までもう文字通り青臭い。

青臭いけど、心の真ん中にある暖かい感情そのままのような気がして、これを聴くと好きだった人が世界そのもののように思えていた学生時代に還れるような感覚になれる。

Fukai Nana「K」


ライブハウスでたまたま聴いて好きになった曲。DIIVとかに近いシューゲイザーでカッコ良くて、一応日本のバンドなんだけどボーカルはイタリア人だそう。

「K」は「Karin」という女の子の頭文字で、日本での一時的な恋愛を描いた曲なのか「ロストイントランスレーション」みたいな異国情緒のようなものを感じる曲。

シューゲイザー自体、感情に近い音楽だからこそ、言いようのない焦燥感や感傷が詰まっているように思える。




betcover!!「決壊」


ちょっと昭和っぽい曲なんだけど、とても好きな曲。

サビの焦燥感と「明日以外の朝を迎えたい」って歌詞がとても好きで、明日がきて欲しくない時とか眠れない夜に良く聴いていた。

濡れたまぶたの僕は
仮面を被って
地平線の向こうを思い描いてみた

個人的にこの曲は社会人になって日曜日の夜に聴くのが好きで、「また明日も会社で働いてご飯を食べて終わりなんだろうな」とか「自分の人生このまま終わるのかな」とか漠然とした不安に襲われた時に聴くとすごく落ち着く。

Wilco「Radio Cure」


ラジオから流れてきた音楽に救われた人の話…だと思って聴いている曲。Wilcoの曲は明るい曲があんまりないけど、その中でもこの曲は葬式のように暗い。

聴かせた友達には何だか退屈だと言われてしまったし、実際そう聞こえる曲なのも分かっているけど大学時代にこれもよく聴いていた。

真っ暗な海底にいるみたいな不穏な雰囲気と、サビでメロディーと共に鳴らされるグロッケンのキラキラした響きの対比がとにかく綺麗で悲しい。

基本静かなんだけど、最後はドラムが盛り上がり「Oh, the distance has the way making love understandable」というフレーズがお世辞にも上手いとは言えないボーカルが絞り出すように叫んで終わる。

この「the distance has the way making love understandable」というフレーズは前半では「the distance has no way making love understandable」となっていて、後半で意味が全く真逆に変わるのも好き。

直訳すると「the distance has the way making love understandable」は「その距離は愛を理解可能にする術を持っている」となって、精神的に疲れてしまって自分が離れてしまった人や音楽に対しても「まだ間に合う」と伝えてくれているような曲に思える。




ドレスコーズ「ゴッホ」


あまりにも暗いまま終わってしまいそうなので、最後に前を向けそうな曲を追加で紹介。

この曲は、社会人になってから思い描いたような成功を掴めず、燻っていると感じている時に特に刺さった曲。

死後、名声を掴み評価されたゴッホ。そんなゴッホのようにはなりたくないという気持ちを歌った曲であり、負け組の「このまま死んでたまるか」という根性が垣間見れる曲に思う。

だけど ぼくがいなくて困る人なんかいないいない、とも毎朝思う
ぼくはゴッホじゃやなんだ
やっぱりゴッホじゃやなんだ

ああ 時計はまわってごまかすんだよ
終わりなんてない 顔をして

ちなみに好きな歌詞はここ。

少年の頃を思い出すような純度が高い歌詞を大人になってから聴くと、こんな風に素直に真っ直ぐ自分の人生を生きたいと思える。

ああ 男の子 ちゃんと傷つけ 今は
偉大なあやまちの真っ最中
ああ 女の子 ぼくらホントにばかだけど
なんでもするよ 泣かないで

 

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