【耽美の極致】slowdiveのおすすめ名曲16選
2024年3月に来日したSlowdive。
1989年に結成され、My Bloody Valentine、Rideと並んで「シューゲイザー御三家」と称されているバンドでもある。
にも関わらずマイブラなどに比べると熱狂的なファンは少ない印象がある。
今回はより多くの人にSlowdiveの魅力が伝わるよう、おすすめの曲やアルバムについてまとめて紹介していきたい。
slowdiveとはどんなバンドか
▼基本的なプロフィール
・イングランドで1989年に結成されたバンド
・1995年に一度解散。2014年に再結成。
・レーベルは元々Creation所属。後にPhoebe Bridgersなどの所属するDead Oceansに移籍
slowdiveは一度解散しているが、2014年にプリマヴェーラ・サウンドに向けて再結成したことを発表した。
再結成後は電子音を取り入れたアンビエント風なサウンドに移行し、再結成前のシューゲイザーっぽい楽曲は少なくなっている。
一番人気のアルバムは再結成前のアルバムの2ndアルバム「Souvlaki」だろう。ドリームポップに近い幻想的なシューゲイザーで、とにかく美しさを敷き詰めた1枚。
とはいえ主観だが、「再結成前の方が良かった」みたいな声は案外少なく、再結成後の楽曲も人気がある印象。特に4枚目のアルバム「Slowdive」は、全英チャート16位/全米チャート50位と、かなり高く評価されている。
ちなみに2023年の9月には新作「everything is alive」がリリース。こちらもシューゲイザーというよりは、前作を踏襲した浮遊感のあるフォーク系の楽曲が中心になっている。とても心地の良い一枚だ。
Slowdiveのおすすめ曲16選
個人的には再結成前のサウンドの方が好きなのだが、できるだけ偏りのないようにおすすめ曲を紹介していきたい。
筆者が推したい隠れた名曲もあるが、基本的に有名な人気曲は一通り紹介しているので、来日公演前の予習などにも是非活用してもらえたらと思う。
1. Alison
1曲目に紹介したいのは、名盤2ndアルバム「Souvlaki」の冒頭を飾るSlowdiveの代表曲。
幻想的な優しいシューゲイザー的なサウンドでありながら、歌詞は薬漬けの恋人について歌ったものになっている。
一見多幸感溢れるサウンドとは裏腹に歌詞が暗いのが、なんとも言えない魅力になっている。
あとこの曲の魅力としてはアウトロのギターが泣けるところも個人的に推していきたい。目を閉じてじっくり聴きたい名曲。
2. Sugar for the Pill
4枚目のアルバム「Slowdive」収録曲「Sugar for the Pill」
この曲は再結成後のアルバムということもあり、ノイズ感はなく、ゆったりとした静かな楽曲。とにかくメロディーが綺麗だ。
宇宙的な壮大な広がりを感じさせるとともに、どことない寂しさが漂う楽曲。
3. When the Sun Hits
2ndアルバム「Souvlaki」収録曲。
ノスタルジー溢れる優しいシューゲイザーが特徴的な名曲。
静かで綺麗なイントロに対して、押し寄せるようにやってくるノイズと共に始まるサビがとても気持ちが良い。
4. Star Roving
2017年発売4枚目のアルバム「Slowdive」収録曲。
スローテンポの楽曲が多いSlowdiveだが、この曲に関してはミドルテンポの疾走感溢れた楽曲になっている。
不穏さを感じるギターと浮遊感あるコーラスが心地良い名曲。
5. 40 Days
2ndアルバム「Souvlaki」収録曲。
Slowdiveにしては珍しく暗く歪んだギターによって少しダークな雰囲気が溢れて、飲み込まれるような怖さすら感じる名曲。
Slowdiveの曲は個人的にハッピーエンドともバッドエンドにも聴こえるような楽曲が多いと感じるが、個人的にこの曲はその象徴のような曲。
6. kisses
2023年発売の新譜「Everything Is Alive」収録曲。
ノイズっぽさは目立たなくなり、インディーロックっぽい1曲。
とはいえ、Slowdiveらしい浮遊感溢れるコーラスは健在で、とても耳心地が良い1曲になっている。
7. Morningrise
1991年に発売された2nd EP「Morningrise」収録曲。
轟音の渦に飲み込まれそうになるような、ザ・シューゲイザーな1曲。
現実離れした世界に連れてこられてしまったような、怖さと壮大さを感じる楽曲になっている。
8. Crazy for You
1995年に発売された3rdアルバム「Pygmalion」収録曲。
個人的に冬の星空の下で聴きたい曲ランキング1位の曲。
アルバム「Pygmalion」自体がSlowdiveのアルバムの中でも最もアンビエントに近いサウンドということもあり、この曲も音数の少ない印象的なアルペジオが静寂の中で繰り返される。
アルバム自体が少し地味なのであまり目立たないが、美しさでは引けを取らない名曲。
9. Slomo
2017年発売4枚目のアルバム「Slowdive」収録曲。
アルバムの冒頭を飾り、最近のライブでも冒頭を飾ることが多い楽曲。
宇宙的な広がりのあるサウンドの世界観に冒頭からしっかり心を掴まれる。メロディーラインがとにかく綺麗で美しい。
10. alife
2023年発売の新譜「Everything Is Alive」収録曲。
この曲は「Souvlaki」のようなサウンドが聴きたかったリスナーにとっては嬉しい1曲だったんじゃないかと思う。個人的にはそうだった。
浮遊感のあるツインボーカルと、多幸感のあるようなキラキラしたギターによる幻想的な1曲。
ちなみに不思議な世界観を感じさせるアニメーションのMVも公開されているので、それも合わせて楽しんで欲しい。
11. Catch the Breeze
1991年に発売された記念すべきデビューアルバム「Just for a Day」収録曲。
91年はマイブラのラブレスが発売された年ということもあり、それと比べると少し影が薄いが、1stからSlowdive独自の世界観を作り上げていることを感じさせる名曲。
深すぎるリヴァーブと、その中にある珠玉のメロディーラインはこの頃から健在で、切ないような怖いような様々な感情を想起させる曲になっている。
12. Here She Comes
2ndアルバム「Souvlaki」収録曲。
スローテンポで、歌詞の意味が分からなくても悲しい感情を想起させる曲。
アルバムの中で2曲しかない、ブライアン・イーノがキーボードを弾いている楽曲としても知られている。
13. Machine Gun
1つ前で紹介した「Here She Comes」と同様、2ndアルバム「Souvlaki」収録曲。
ゆったりとしたテンポとレイチェルの美しい歌声が混ざって、現実離れした神秘的な雰囲気に溢れている。秋や冬に聴きたい1曲。
14. Blue Skied An’ Clear
3rdアルバム「Pygmalion」収録曲。
美しいメロディーとロマンチックな歌詞の世界観がマッチした甘美な1曲。
コーラスはもはや美しすぎて畏れすら感じるレベル。陶酔的な美しさをもった名曲。
15. Souvlaki Space Station
2ndアルバム「Souvlaki」収録曲。
幻想的ながらもポップで美しいメロディーが輝く楽曲が多い2ndアルバムの中で、異彩を放っている楽曲でもある。
ほぼボーカルが埋もれてしまうくらいのアンビエントな轟音ノイズと、本能的に警戒したくなるような不穏なリフ。
アルバムの中のアクセントとして、クセになる1曲。
16. Golden Hair(おまけ)
元Pink Floydのフロントマン、シド・バレットのカバー曲。
ライブでも度々演奏されていて、このカバーもなかなかに良いのでおまけとして紹介。好きなファンも多いんじゃないかと思う。
原曲の原型はもはやほぼもう留めておらず、全く別の曲として楽しめるので、シド・バレットが好きな方は是非このカバーも聴いて欲しい。
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