the HIATUSのおすすめ曲13選。一味違う細美武士の音楽を楽しむことができるバンド

ELLEGARDENの細美武士がエルレ解散後の翌年の2009年に始めたプロジェクト、the HIATUS。

メンバーには東京事変のキーボードとしても知られる伊澤一葉や、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのベースのウエノコウジ、ドラムにtoeの柏倉隆など、とにかく豪華なメンバーが集められていて、演奏のクオリティが高いことでも知られてます。

作曲はメンバー全員が関わっている曲も多いため、ELLEGARDENやMONOEYESとは一味違った音楽性を楽しむことができます。

ELLEGARDENやMONOEYESと比べたら暗いと言われるthe HIATUSですが、繊細で洗練されたサウンドとダウナーな歌詞が心を打ちます。よかったら是非聴いてみてください!

Insomnia


ライブ終盤の定番曲にして2ndアルバム「ANOMALY」収録の屈指の名曲。

「不眠症」を意味する「Insomnia」というタイトルが付けられていて、失った大切な人に対する想いと自分への懐疑心が溢れ出す悲しい曲です。

「Save Me」とひたすら叫ぶサビは心を削られますが、ライブで聴くと居合わせた見知らぬ人と苦悩を共有しているようなそんな気持ちにもなります。

Stay awake
起きていないと

or I’ll just fall apart in memories
僕は思い出の中でバラバラに壊れてしまう

I’m not the one you want
僕は君が求めているような人じゃない

I’m not the one you know
僕は君が知っているような人じゃない

I hope you are fine
君が大丈夫だといいな

Insomnia
眠れないよ

ベテルギウスの灯


この曲も2ndアルバム「ANOMALY」収録のライブの定番曲です。

the HIATUSの楽曲の中では珍しく全編日本語で、初めて聴くならおすすめの1曲です。

旅の途中を思わせるノスタルジックな歌詞と、ストレートなバンドサウンドが心に刺さります。

「あの草原で出会えた君の名前を思い出すことさえできない」というフレーズが印象的です。

Something Ever After

電子音をより積極的に取り入れた4thアルバム「Keeper of the Flame」収録。

悲しいバッドエンドを思わせるイントロの電子音と、歌詞から浮かぶ自然の情景が美しい一曲です。

テーマは「喪失」でしょうか。大事な人を失っても記憶の中で「何かがずっと続いていく」ということを歌っています。

Did you see the lightning on the sea
海に落ちる雷槌を見たかい

Did you see the sunrise hit the trail
山道を照らす朝日や

Did you see the nightfall on the ridge
稜線の降る夜を見たかな

Remember those days we were so cool
僕らが最高だった日々をどうか覚えていて

The Flare


1stアルバム「Trash We’d Love」収録。

手が何本あっても足りなそうなドラミングを筆頭にイントロからあまりにもかっこよく、The HIATUSの音楽的な初期衝動が詰まっているような1曲です。

The HIATUSの楽曲の中では激しい曲に入りますが、それでもThe HIATUSならではの繊細さとダウナーな歌詞が心を打ちます。初めて聞いた時はただただ衝撃的という気持ちでした。

Deerhounds


3rdアルバム「A World Of Pandemonium」に収録。

アコースティックギターの温かい音色と民謡の影響が印象的で、The HIATUSの新境地を感じさせる一曲です。

生活感と非現実と喪失感がアルバムのタイトル通り混沌と渦を巻いている楽曲の雰囲気が個人的にとても好きです。意味もなくノスタルジックになってしまう憂鬱な日の朝に聞くのがおすすめです。

Silver Birch

1stアルバム収録。ライブでも定番の1曲です。

キラキラとしたキーボードが星空を彷彿とさせ、大人になって忘れかけていた童心や子供の頃に感じたドキドキ感を思い出させてくれます。

When we were kids
僕らが子供だった頃

Nothing was left behind the wall
壁の向こうには何もなかった

When we were kids
僕らがまだ子供だった頃

Stars were always shining bright
星はいつも明るく輝いてた




Horse Riding


アコギの音色が綺麗なメロディアスな1曲。

全体のテイストが暗い4thアルバム「Keeper of the Flame」の収録曲ですがその中で一際キラキラしている楽曲のように思います。

馬とは「その人が最も信頼できる、信念のよりどころになるもの」の喩えだとインタビューで細美さんは言っていて、騒乱が絶えない世界で声を上げようとする主人公が描かれています。

Revolution needs a soundtrack
革命にはサウンドトラックが必要なんだ

Regret


結成10周年でリリースされた6枚目のアルバム収録曲「Regret」

過去に囚われ、夜は悪夢を見ていたthe HIATUSが10年を経て「夜は何よりも美しい」「過去なんてゴミみたいに捨ててさ」なんてフレーズを歌うようになったことにサウンド以上の変化を感じた曲でもあります。

紺碧の夜に

一部英語はありますが、the HIATUSの中では珍しい日本語曲です。

歌詞から描写される非現実的な情景描写とストレートなバンドサウンドが、大事な思い出や懐かしい記憶をダイレクトに想起させるような曲です。

Someday we’re gonna find ourselves
Holding the candles in our hands
紺碧の夜を見上げて君に会える
満天の星空も冬の日の夕闇も
航海に浮かべて
僕らは月の影にそって

Clone


この曲は「トラウマとの向き合い方」について歌ったものだと細美さんが公言している曲です。

自分の中にいる傷付き涙を流し続けているもう1人の自分が、いつか自分を救ってくれる存在になるのだと、希望を感じることができる曲になっています。

But I feel a clone in me who wrings my heart
でも僕の中には心を締めつけるクローンがいる

It’s a clone in me who grabs my tails
それは僕の尻尾をつかんでいるクローン

There’s a clone in me who shares with me
僕の中には全てを分け合うクローンがいる

There’s a clone in me who’ll never smile again
もう二度と笑わないクローンがいる

Catch You Later

過去の自分に対する後悔が強く歌われている1曲。

「君に血を流させる狼は僕だった」というフレーズにあるように、傷付けてしまった大切な誰かに対する後悔や、自分自身の幼さに対する懺悔のような感情が歌われています。

So I have made up this whole story
だから僕はこの物語を作り上げて

And I run back into the maze
迷路に駆け戻った

Just not to hurt you anymore
もうこれ以上君を傷つけないように

I don’t wanna hurt you anymore
これ以上君を傷つけたくないんだ

Radio

前述のClone、Catch You Later同様5thアルバム「Hands Of Gravity」収録曲。

しっとりとしたバラードで、降り続ける雨の中耐え続ける1人の男が描かれています。

男らしさの象徴としてグランジの音楽が登場しますが、自分の不甲斐なさや理想とのギャップに耐えられなくなった時に聴きたい1曲です。

I’ve been walking in the rain
僕は雨の中を歩いてる

Standing in the pain
痛みの中で耐えながら

Acting like I’m sane because I give it all away
どうでもいいから正常なふりをしてる

Listening to grunge
グランジを聴きながら

Waiting for a change
変化を待ってる

Acting like I’m sane because I hear it all again
ラジオでそれが流れたから男らしいふりをしてる




Twisted Maple Trees


1stアルバム「Trash We’d Love」のラストに収録されている曲。

ゆっくり無機質に繰り返されるギターのリフから感情が爆発するように盛り上がる展開が心を打ちます。

そしてこの曲は歌詞がとにかく切なくて、特に以下のフレーズには心を締め付けられます。

You shade your face
君は顔を曇らせて

And murmur something like
ぼそっとつぶやく

“Should I regret the color of my dress”
「違う色のドレスにすればよかったのかな」

不用意に言った言葉が誰かを傷付けてしまったり、取り返しのつかないことへの引き金になってしまったりすることがこの短いフレーズに詰まっているように感じました。

「君は僕を許せないでいる」というフレーズでこの曲は幕を閉じ、「君は大丈夫だよ 僕が間違っているんだ」という言葉も相手側には伝わることなく終わってしまいます。

傷付いた過去を抱えて生きることも辛いですが、誰かを傷付けてしまったことに対する贖罪ができずにいる状態はそれ以上に辛いのかもしれないとこの曲を聞くと考えさせられます。

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