New Orderのおすすめ曲・アルバム17選!憂鬱で至高のポストパンク

New Orderとはどんなバンド?

New Orderは1980年にマンチェスターで結成されたバンドです。

ジャンルはポストパンク、ニュー・ウェイブ、ダンスロックなどに分類されます。

今でも音楽ファンから根強い人気のあるJoy Divisionを前身とし、ボーカルであるイアン・カーティスが自殺した後にバンド名を変えて活動を開始しました。

Joy Divisionは陰鬱なポストロックサウンドと内省的な歌詞が特徴的でしたが、New Orderでは電子音を取り入れたサウンドへと進化していきます。

名盤と言われているのはセカンドアルバム「Power,Corruption & Lies(邦題:権力の美学)」や3枚目の「Low-Life」です(筆者が一番好きなアルバムは「Low-Life」です)

綺麗なメロディーと憂鬱な響きのあるダンスロックの融合は今聴いても唯一無二の良さがありますね。

ちなみにボーカルのバーナード・サムナーの歌唱力(演奏力も)はお世辞にも高いとは言えないですが、そんなところも味を出していたりします。

New Orderのおすすめ曲17選

1. The Perfect Kiss


1985年に発売された3枚目のオリジナルアルバム「Low-Life」収録曲「The Perfect Kiss」

ピーター・フックの高音でキャッチーなベースラインが耳に残る名曲です。

また、シンセの音も綺麗で、幻想的な雰囲気が漂っています。

最後を締める「Now I know the perfect kiss is the kiss of death(僕は今知ったんだ、完璧なキスとは死のキスだって)というフレーズも個人的に気に入っています。

2. Regret


おそらくNew Orderの中で最もキャッチーな楽曲。

6枚目のアルバム「Republic」からシングルカットされ、全英チャート4位まで登り詰めました。

ギターロック色の強い爽やかな雰囲気の楽曲で、「この1曲だけでNew Orderは90年代を乗り切った」とも言われる程特に評価された曲です。

爽やかな雰囲気とは裏腹に、歌詞はタイトル通り強い後悔が歌われたものになっています。

I would like a place I could call my own
(自分のものだと言える居場所が欲しいよ)

Have a conversation on the telephone
(電話で話ができるような、そんな場所)

Wake up every day, that would be a start
(毎朝起きて、それが始まりになるんだとしたら)

I would not complain of my wounded heart
(この心の傷だって悪くない)

3. Sub-Culture


個人的にNew Orderで一番好きな楽曲。3枚目アルバム「Low-Life」に収録されています。

バッドエンドを思わせる電子音のイントロと、救いようのない歌詞が相まって異様な絶望感が漂っています。

「What do I get out of this? I always try, I always miss(この状態から何を得られるって言うんだろう?いつだって頑張っているのに、いつだって上手くいかない)」っていうサビの歌詞がとにかく悲しくて好きです。

夜が似合う曲で、言いようのない不安に突然襲われた夜に聴きたい曲です。

4. Blue Monday


1983年にリリースされたNew Orderの代表曲。

自殺したJoy Divisionのボーカル、イアン・カーティスに向けられたものという説も広がっていますが公式の言及ではないので、あくまでもそうではないかと言われているだけです。

これには、イアン・カーティスが自殺したのが日曜日だったからタイトル「Blue Monday(憂鬱な月曜日)」になっているのではないかとか誰かの死を思わせる下記のフレーズが関係しています。

Tell me how does it feel
(どんな感じなのか教えてよ)

When your heart grows cold?
(心臓が冷たくなってくっていうのは)

クラフトワークのようなジャーマンプログレを彷彿とさせるテクノを取り入れた硬質で無機質なポストパンクサウンドで、ここからJoy Divisionとはまた別の新しい音楽性を確立し始めたように思います。

5. Ceremony


記念すべきデビューアルバム「MOMENT」収録曲であり、1981年に発売されたシングルでもある「Ceremony」

元々はJoy Divisionの最後の曲としてイアン・カーティスが詞を書いた曲でもあります。

New Order初期の楽曲ということもあり、どことなくJoy Divisionの面影を感じる不安定で浮遊感のあるサウンドが特徴的の悲しい響きの楽曲です。

イアン・カーティスが奥さんとの夫婦関係に冷め切っていたことは他の曲の歌詞や映画にも登場するのですが、この曲でもそんな冷めきった人間関係が気怠く歌われています。

儚い夢のような淡い曲とも取れるし、終わりのない絶望のようにも聴こえる不思議な楽曲です。

6. Your Silent Face


名盤「Power,Corruption & Lies(邦題:権力の美学)」収録曲。

個人的にNew Orderの中でトップクラスにおすすめしたい楽曲です。New Orderの中でも頭一つ抜けて美しい曲。

綺麗なシンセサウンドをバックにひたすら気怠げに歌うバーニーの歌声が、絶妙にマッチしていて異様な空気感を作り上げています。

歌詞は無関心について歌われたような、どこか生気がない人や物事についてが抽象的に歌われているものになっていて、その漠然とした歌詞もこの曲の幻想的な空気感を作り上げているように感じます。

7. Age of Consent


「Power,Corruption & Lies(邦題:権力の美学)」の冒頭を飾る、疾走感溢れた名曲。

シンセとギターが上手く調和していて爽やかな楽曲です。

ただそんな雰囲気とは裏腹に歌詞の方は「I’ve lost you(僕は君を失ったんだ)」と15回繰り返されて終わります。

ちなみに余談ですが、このスタジオライブの映像のバーニーが下手すぎて個人的に気に入っています。自分でも上手く弾けなくて(歌えなくて)イライラしてて面白いです。

8. Temptation


1982年に発売されたシングル曲。この曲は映画「トレインスポッティング」でも使われました。

この楽曲辺りから、New Orderはテクノ色強めのロックへと変化を遂げ、Joy Divisionに近かった初期のサウンドからは離れていきます。

全英チャートは29位で、この時点では過去最高の順位となります。

耳に残るリフと、キャッチーなコーラスが耳に残る名曲で、New Orderの中では明るい楽曲に入ると思いますが、独特の幻想的な雰囲気も感じられます。

9. 60 Miles an Hour


2001年に発表された8枚目のアルバム「Get Ready」収録曲。

ギターロック色強めの楽曲で、テクノっぽさはあまり感じられないので素朴なバンドサウンドが好きな人にはおすすめしたい楽曲です。

10. Bizarre Love Triangle


「Bizarre Love Triangle」は1986年に発売された4枚目のアルバム「Brotherhood」に収録され、シングルカットされています。名曲中の名曲です。

タイトルは「奇妙な愛の三角形」という意味で、今の恋人に別れを切り出せない心情を歌ったものになっています。

楽曲自体は壮大で明るい雰囲気に包まれていますが、それが余計に切ない歌詞との対比を際立たせています。

Every time I see you falling
(君が落ちていくのを見るたびに)

I get down on my knees and pray
(僕はひざまずいて祈るんだ)

I’m waiting for that final moment
(僕は最後の瞬間を待っている)

You say the words that I can’t say
(僕が言えない言葉を君が言ってくれる瞬間を)

引用したのはサビの歌詞ですが、「僕が言えない言葉を君が言ってくれる瞬間を待っているんだ」というフレーズは特に切ないなと感じます。

11. Round & Round


1989年に発売された2枚目のアルバム「Technique」収録曲。シングルとしても発売されています。

全英シングルチャートでは21位を記録し、全米クラブ・プレイ・チャートでは第1位に輝いたこともあります。

ひと昔前のクラブミュージック感が強い楽曲ですが、その中にあるNew Orderならではの切ないメロディーが絶妙にマッチしていて唯一無二のものになっていると思います。

12. Love Vigilantes


3枚目のアルバム「Low-Life」の冒頭を飾る楽曲。

軽快な鍵盤ハーモニカのイントロで始まる穏やかな雰囲気の曲ですが、ベトナム戦争について歌ったものです。

ストーリーのように歌詞がなっているのもこの曲の魅力で、ベトナム戦争に行っていた兵士がやっと家族と会えると思いながら戦場に戻ると、妻は既に自殺してしまっていたという悲しい話になっています。

そして横たわっている妻の手には電報が握られていて、そこには夫(自分)は勇敢な兵士だったが死んでしまったと書かれていたというオチになっています。

このオチは2通りの解釈ができて、電報が誤報にも関わらず妻はショックで死んでしまったという悲劇を招いたとも取れますし、夫は自分が死んでいることに気が付かず、幽霊となって帰還しようとしたとも取れます。

13. Leave Me Alone


「Power,Corruption & Lies(邦題:権力の美学)」より。ラストを飾るこの曲も名曲です。

この曲はギター色がやや強めの楽曲ですが、Age of Consentのような疾走感はなく、むしろ気怠い雰囲気が漂っています。

歌詞の雰囲気もあって、本当に孤島のような寂寞感を感じる曲になっています。タイトル通り、1人になりたい時に聴いて欲しい1曲です。

14. Fine Time


2枚目のアルバム「Technique」収録曲。シングルカットもされています。

無機質なテクノサウンドと哀愁溢れたメロディーラインを組み合わせたら、New Orderの右に出るものはいないと感じさせられる1曲です。

もう30年以上も前の曲ですが、未だに新鮮さを感じます。

15. Sugarcane


未発表曲集「Lost Sirens」に収録されている楽曲。

この「Lost Sirens」というアルバムはアウトテイク集ということもあり、正直あまり人気があるアルバムではないのですが、聴きやすいダンスロック曲が多く収録されていて個人的にはかなり気に入っているので紹介しています。

「Sugarcane」はその中でもメロディーがキャッチーで、明るいのになぜか涙腺に来る不思議な曲です。

知られてないだけでこのアルバムから入ったらより聴きやすいと感じる人もいるのではないかと思います。

New Orderの名盤・人気アルバムTOP5

ここからはアルバム単位で名盤だと思う作品やおすすめのアルバムについて紹介していきます。

1. 「Power,Corruption & Lies(邦題:権力の美学)」

New Orderの名盤と言ったら、このアルバムを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

Joy Divesionの「Unknown Pleasures」のアートワークでも知られているピーター・サヴィルによる権力の美学のアートワークは、Tシャツとしても根強い人気がある印象です。

テクノ色が強すぎず、とはいえ1stとは違ってJoy Divisionの呪縛からも抜け出してNew Orderらしさを確立した名盤だと思います。

楽曲単位でも「Age of Consent」や「Your Silent Face」、「Leave Me Alone」などなど必聴の名曲揃いです。

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2. 「Low-Life」

1番人気はおそらく権力の美学だと思いますが、このアルバムも人気です。

ジャケットはなぜかドラムのスティーヴン・モリスの顔が採用されています。

何というか、アルバム全体を通して感じる圧倒的なバッドエンド感が好きです。他のアルバムの曲にもそういうものはありますが、このアルバムは特にそれが強いような気がします。

歌詞が救いのない「Love Vigilantes」から始まり、少し不吉とも思えるサウンドで物事の不和を歌った「Sub-Culture」などなど特に暗い楽曲が多い印象です。

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3. 「Republic」

3位は6枚目のアルバム「Republic」です。

このアルバムは全体的にキャッチーで聴きやすい楽曲が多いですが、このアルバムの個人的な評価点のほとんどは1曲目「Regret」のおかげと言っても過言ではないです。それくらい「Regret」が頭一つ抜けて名曲です。

バンドの音が好きな人はこのアルバムから聴いてみてもいいかもしれません。

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4. 「Brotherhood」

1986年に発売された4枚目のアルバム「Brotherhood」

地味だという声もありますが、「Bizarre Love Triangle」を始め、どの曲も洗練されていながらもダークな哀愁があり、魅力的な楽曲が多いです。

楽曲の中に散りばめられている無力感溢れたフレーズは、無気力な人にとって刺さるものが多いと多いと思います。是非聴いてみてほしいです。

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5. 「Technique」

クオリティー的にはかなり名盤だと思います。エレ・ポップの頂点のような1枚。

個人的にはテクノ色がちょっと強すぎてクラブミュージックっぽい印象があるのでそこまで聴いてないですが、これは好みの問題だと思うので、5位に紹介しました。

とはいえ明るすぎるかと言われるとそうでもなく、多幸感と哀愁が組み合わさった絶妙なアルバムになっていると思います。

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