ポストパンクのおすすめ名盤19選 不穏なのに聞きたくなる名盤を紹介

1970年代後半に誕生した音楽ジャンル「ポストパンク」。

「ポストパンク」とはパンク元年とも言われている1977年から、短命だったパンクムーブメントが終息し始めた頃に勃興した音楽ジャンルです。

クラウトロック(ジャーマンプログレ)からも影響を受けていて、暗く実験的な音楽である場合が多いです。

ここからはポストパンクの名盤を19選紹介します!

Joy Division「Unknown Pleasures」(1979)


ポストパンクの最重要作品と言われている言わずと知れた名盤「Unknown Pleasures」。

23歳という若さで自殺したイアン・カーティスの内省的な歌詞が特徴的なとにかく陰鬱な1枚です。

歌詞の内容は抽象度が高く難解ですが、人間関係の不和、自分自身に対する不信感や希望のない将来を歌っているものが多いです。

演奏も全然上手くない上に、オリジナルアルバムはたったの2枚だけにも関わらず40年以上経った今でも音楽好きから絶大な支持を得ています。

おすすめトラック:「Disorder」「New Dawn Fades」

Public Image Ltd「Flowers of Romance」(1981)


セックス・ピストルズを脱退したジョン・ライドンが、ザ・クラッシュの元ギタリストのキース・レヴィンにも声をかけ結成したバンド「Public Image Ltd」。

「Flowers of Romance」はPILの3枚目のアルバムにして初期を代表する1枚です。

エスニックで独特な雰囲気と、不明瞭な言葉の羅列が作り上げるアンダーグラウンドな世界観を楽しむことができます。

おすすめトラック:「Four Enclosed Walls」「Flowers of Romance」

The Cure「Three Imaginary Boys」(1979)


1979年にデビューしたThe Cureの1stアルバム「Three Imaginary Boys」

パンクから次のロックを模索していた時代の中でリリースされた今作は、シンプルながら少し捻くれたポップサウンドがクセになります。

The Cureはこの後からゴス・サイケ色を強めてより完成されていきますが、素朴さと青春の愛おしさを感じさせる1枚です。代表曲「Boys Don’t Cry」もこのアルバムに収録されています。

おすすめトラック:「Boys Don’t Cry」

XTC「Skylarking」(1986)


1986年にリリースされたトッド・ラングレンプロデュースの8作目。

代表作「Black Sea」はかなり好みが分かれるアルバムですが、このアルバムはキャッチーさでは頭ひとつ抜けていて聴きやすいです。

ネオアコ色強めながら独特のポップセンスを爆発させています。

自然音を駆使した演出や、曲の繋ぎ目が綺麗なので牧歌的な別世界の1本の映画を観ているような気持ちになります。

おすすめトラック:「The Meeting Place」「That’s Really Super, Supergirl」



Magazine「Real Life」(1978)


バズコックスのオリジナルメンバーで、ボーカルだったハワード・ディヴォートが結成したバンド「Magazine」。

1977年から約4年という短い活動期間でしたが、ザ・スミス、レディオヘッド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど多くの著名なバンドが影響を受けたと公言しています。

「Real Life」はマガジンの1stアルバムで、ポストパンクのアート性が持つ歪んだ美しさを凝縮したような1枚になっています。

おすすめトラック:「Definitive Gaze」「Shot By Both Sides」

Echo & The Bunnymen「PORCUPINE」(1983)


78年にリヴァプールで結成されたエコー&ザ·バニーメン。

ポストパンクの中でもクールで耽美的なネオサイケの世界観を完成させた第一人者です。

3rdアルバム「PORCUPINE」(邦題:やまあらし)はチャート2位にまで上りつめ、彼らの作品の中では商業的に最も成功した作品です。

初期のようなパンク色強い作品と比べると、管楽器やシンセサイザーが駆使され、音楽的な好奇心が刺激される1枚になっています。

おすすめトラック:「The Cutter」「The Back of Love」

ORANGE JUICE「You Can’t Hide Your Love Forever」(1982)


ポストパンクから派生したジャンル、ネオアコの名盤の一つです。

エドウィン・コリンズは元々パンクバンドをやっていましたが、「パンクのムーブメントは音楽的な発展がないまま、すぐにしぼんでしまった。だから、僕は、たとえ少し女々しいと思われたとしても、自分に正直で音楽的に発展があるレコードを作りたかったのさ」と「ギター・ポップ・ジャンボリー」で発言しており、パンクバンドをやめ、1979年にオレンジ・ジュースを結成しました。

キラキラとしたギターサウンドが特徴的ですが、そんな彼らのパンクに対する反骨精神が反映され、メロディーやリズムは独特でクセになります。

おすすめトラック:「Falling and Laughing」

The Pop Group「Y」(1979)


1978年結成、81年解散という短命ながらその過激さと実験性で名を残している名盤「Y」(邦題:最後の警告)

ファンクビートに絶叫が乗せられた「THIEF OF FIRE」から始まる不穏なオープニングで既存のロックのキャパを大きく超えたアルバムであることが分かります。

「衝撃的」「攻撃的」「凶暴」などの表現は良く使われますが、これほどまでに衝撃的なアルバムはなかなかない気がします。

おすすめトラック:「THIEF OF FIRE」「BLOOD MONEY」「SHE IS BEYOND GOOD AND EVIL」

Wire「Pink Flag」(1977)


1976年にロンドンで結成されたバンド、Wireのデビュー作。

1977年と言えばまだまだピストルズやクラッシュがストレートなパンク・ロックが勃興した年で、そんな中でリリースされた今作は間違いなくポストパンクの先駆けと言えます。

まだまだパンク色を残しつつも、非常にミニマムで硬質なサウンドは、初期衝動と知性のようなものをどちらも感じることができます。

おすすめトラック:「Reuters」「12X U」

Aztec Camera「High Land, Hard Rain」(1983)


ネオアコの名盤として語られることが多いアズテックの1st「High Land, Hard Rain」

当時まだ19歳のロディ・フレイムの突出したセンスを楽しむことができる1枚です。

オレンジ・ジュースよりもクセがなく、メロディーの綺麗さと文学的な歌詞を純粋に感じることができます。

このアルバムは、デビューアルバムにも関わらずエルヴィス・コステロにも認められ、コステロの米国ツアーにサポート・メンバーとしても参加しています。

おすすめトラック:「Oblivious」「Walk Out to Winter」



Gang Of Four「Entertainment!」(1979)


イングランドのポストパンクバンド、Gang Of Fourが1979年にEMIから出したデビューアルバム。

アンディ・ギルの鋭角なギターとリズム隊のファンクなグルーヴが作り上げるサウンドがカッコよくクセになります。

冷徹なボーカルが歌い上げる辛辣で社会的・政治的なメッセージもこのアルバムのクールさを引き立てています。

おすすめトラック:「Damaged Gods」「At Home He’s a Tourist」

Talking Heads「Remain in Light」(1980)


1974年にアメリカで結成されたロックバンド、トーキングヘッズ。

「Remain in Light」は4枚目のアルバムで、ブライアン・イーノプロデュース作品としても知られています。

芸術性が高く、アフリカンビートとファンクが絶妙にブレンドしていて、クセがあるのにポップにさえ感じるような1枚です。

また、制作方法もブライアン・イーノによる手法の影響を受け、このアルバムは作曲されたものを演奏したのではなくて、各人が演奏しながら作曲するという形をとっています。

そのため、メンバーの狂気とも言える部分が自由に開放されているような印象を受ける作品になっています。

おすすめトラック:「Once In a Lifetime」

BAUHAUS「In the Flat Field」(1980)


1979年にデビューしたイギリスのロックバンド、BAUHAUS。

ポストパンク・ゴシックロックの始祖として知られていて、「In the Flat Field」はデビュー作にして名盤と名高い1枚です。

パンキッシュな雰囲気は残しつつも、耽美的でダークな楽曲が多く、一味違ったパンクが聴きたいなら是非聴いてほしい一枚。

おすすめトラック:「Dark Entries」「In the Flat Field」

The Birthday Party「Junkyard」(1982)


オーストラリアのポストパンクバンド、The Birthday Party。

ボーカルのニック・ケイブは現在「Nick Cave & The Bad Seeds」として活動していることでも知られてます。

現在の「Nick Cave & The Bad Seeds」のサウンドと比較すると、尖っていて冷徹で重たく、特にこのアルバムはThe Birthdayの中でも狂気に近いカオスが充満しているような印象を受けます。

おすすめトラック:「She’s Hit」「Junkyard」

The Fall「Hex Enduction Hour」(1982)


約30枚近くものアルバムをリリースしたイギリスのカルト的人気を誇るバンド、The Fall。

5枚目のアルバム「Hex Enduction Hour」はダブルドラマー体制が確立され、実験的ながらも初期の傑作の一つに数えられています。

アルバムとしての統一感が強く、「The Classical」から畳み掛けるような閉塞的な熱量に圧倒される1枚です。

おすすめトラック:「The Classical」

A Certain Ratio「The Graveyard and the Ballroom」(1979)


1977年にデビューした英国のポストパンクバンド、A Certain Ratio。

Joy Divisionと同じレーベル、ファクトリーレコードのバンドです。

鋭角なギターと冷徹なボーカルは英国のポストパンクらしさがありますが、今作はファンクの影響が色濃い作品になっていて、新しい印象を受けます。

おすすめトラック:「Do the Du」「Crippled Child」

The Feelies「Crazy Rhythms」(1980)


1976年にアメリカで結成されたロックバンド、The Feeliesのデビュー作。

淡々とどこまでもミニマムに進んでいく構成と、拙い演奏のせいでどことなく溢れ出る焦燥感が不思議な雰囲気を醸し出していますが、とにかくかっこいいです。

ガレージロックっぽくもあるのですが、終始クリーンなギターの音が透明感を出していて、そこが逆に新しいように感じられます。

おすすめトラック:「The Boy With the Perpetual Nervousness」「Loveless Love」

Pere Ubu「The Modern Dance」(1978)


1975年、アメリカのオハイオ州で結成されたロックバンド、Pere Ubu(ペル・ユビュ)

78年に発表されたは「The Modern Dance」アヴァンギャルドなガレージロックで、初期衝動が詰まっているデビュー作です。

実験的で、猟奇的な陽気さのようなものを感じる1枚です。

おすすめトラック:「Street Waves」

The Raincoats「The Raincoats」(1979)


1977年結成のイギリスのポストパンクバンド、The Raincoats。

1979年に発売された「The Raincoats」はデビュー作で、ラフトレードからリリースされたアルバムです。

メンバー全員が女性で、紹介したポストパンクのバンドの中でも頭一つ抜けて演奏技術がなく、The Shaggsをどことなく彷彿とさせます。

ですが、どこまでも純真無垢なかっこよさがあり、音楽の優劣は演奏技術ではないのだとこのアルバムを聴くと思い知らされます。

おすすめトラック:「Fairytale in the Supermarket」「Off Duty Trip」



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