シューゲイザーのおすすめ名盤18選 轟音ギターが織り成す音の世界

シューゲイザーとは、爆音のフィードバックノイズと囁くような甘いボーカルが特徴的な音楽のジャンルです。

語源は「Shoe=靴+Gazer=見る人」という意味で、下にあるエフェクターや歌詞カードを見ながら俯いてギターを掻き鳴らす姿から付けられたと言われています。

現在はサウンドの特徴として知られているジャンルの一つでThe Jesus and Mary Chainの「Psychocandy」を草分け的存在として、My Bloody Valentineが完成させました。ムーブメントとしてシューゲイザーと言われるバンドが多く出てきたのは90年代前半です。

今回はそんなシューゲイザーの名盤を18選に厳選して紹介します。是非参考にしてみてください!

シューゲイザーのおすすめ名盤18選

1. My Bloody Valentine「Loveless」(1991)


言わずと知れたシューゲイザーの金字塔。シューゲイザーというジャンルを確立させ後世のバンドに絶大な影響をもたらした一枚です。

ケヴィン・シールズの轟音ギターとビリンダ・ブッチャーの消え細りそうな儚げなボーカルが特徴的な代表曲「Only Shallow」は、幻覚を見ているかのような別世界への暴力的なトリップ感があります。

1曲1曲はもちろん、幽玄的な世界へそのまま誘われるかのようなアルバム構成も本当に素晴らしいので、まずはアルバムを通して最大限のボリュームで聴いてみて欲しいです。

おすすめトラック:「Only Shallow」「When You Sleep」「I Only Said」

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2. Ride「Nowhere」(1990)


マイブラ、後述のSlowdiveと共にシューゲイザーの御三家として扱われることも多いRide。

Rideはイギリスのオックスフォードで結成されたバンドで、メンバーのアンディ・ベルがOasisのベースとして加入していたことでも知られてます。

全編を通してキラキラしたノイズが特徴的で、真っ青なジャケットが象徴しているように青春が詰まったサウンドのように感じる1枚。

そしてRideは特に詞が良く、ノスタルジーな気持ちになった時に寄り添ってくれるような言葉が紡がれているのもこのアルバムが名盤たる理由の一つのように思います。

おすすめトラック「Vapour Trail」「In a Different Place」「Seagull」

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3. Slowdive「Souvlaki」(1993)

イングランド出身のSlowdiveの2ndアルバム。おそらくSlowdiveのキャリアの中でも最も評価の高い傑作です。

ニール・ハーステッドとレイチェル・ゴズウェルの二人のの美しいハーモニーと、ニールの綺麗なメロディラインがなんとも叙情的で、感傷に浸れるような楽曲が揃ったアルバムです。

冒頭を飾る楽曲「Alison」は空虚さとノスタルジーに溢れた、彼らの持ち味が最大限に発揮された名曲です。

シガー・ロスやモグワイなど00年代のポストロックに色濃く影響を与えています。

おすすめトラック:「Alison」「40 Days」「When the Sun Hits」

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4. Chapterhouse「Whirlpool」(1991)

91年、シューゲイザーのムーブメントの全盛期にリリースされたChapeterhouseの1stアルバム「Whirlpool」。

疾走感溢れる「Breather」から煌びやかな代表曲「Pearl」までの流れで一気に心を掴まれ、荒々しくも優しいギターノイズの質感に心地よさを覚えます。

Chapterhouseはこのアルバムが頭一つ抜き出ているような印象です。

おすすめトラック:「Breather」「Pearl」「If You Want Me」

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5. Spiritualized「Lazer Guided Melodies」(1992)


90年に事実上解散したSPACEMEN3のメンバー、J.Spacemenを中心として始動したUKのスペース・ロックバンド、Spiritualized(スピリチュアライズド)による92年発売の1st。

折り重なるギターノイズよりも、浮遊感のある綺麗なメロディがとくに際立ったアルバムで、ドリームポップに近いサウンドが楽しめるアルバムです。

「Lazer Guided Melodies」というアルバムのタイトルそのままに、宇宙の中で音の粒子が彷徨っているような世界をイメージさせるような作品になってます。

おすすめトラック:「You Know It’s True」「Take Your Time」

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6. Lush「Gala」(1990)


フロントマンの Miki と Emmaの二人による繊細なハーモニーによってシューゲイザーと呼ばれるバンドの中でも異色の存在感を放っていたLush。

ノイズとファルセットなどシューゲイザー的特徴ももちろん色濃くありますが、ブリットポップ+ Stereolabのようなサウンドに近いような楽曲もあります。

祝祭のように煌びやかでありながらどこか不穏なアルペジオが力強く鳴る「Sweetness and Light」で一気にこのアルバムの世界に引き込まれ、そのままずっと圧倒される捨て曲なしの名盤です。

おすすめトラック:「Sweetness and Light」「De-Luxe」「Scarlet」

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7. Pale Saints「In Ribbons」(1992)


「In Ribbons」はイギリスの名レーベル4AD発のPale Saintsが元LushのボーカリストMeriel Barhamを正式メンバーとして迎えられて制作された2ndアルバムです。

Echo & the Bunnymenのプロデューサーとしても知られるHugh Jonesによってプロデュースされた本作は彼らのキャリアの中でも最高傑作と言われています。

「In Ribbons」はノイジーとはいえ、ミドルテンポのギターロックのような楽曲も多いため、実験的なシューゲイザーが苦手な人にも聞きやすい作品です。

おすすめトラック:「Throwing Back the Apple」「Ordeal」

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8. Catherine Wheel「Ferment」(1992)


英国産のシューゲイザーバンド、Catherine Wheelがシューゲイザーの全盛期にリリースした1992年のデビューアルバム、「Fermant」

実験的なサウンドで高く評価されているポストロックバンド、TALK TALKのティム・フリーズ・グリーンがプロデュースしたことでも知られています。

USオルタナ/グランジ色が強いサウンドとハスキーなボーカルが特徴です。HR/HMに近いサウンドになった2・3作目も評価が高いですが、ザ・シューゲイザーなサウンドが好きな人にはこのデビューアルバムを一番おすすめします。

おすすめトラック:「Black Metallic」「I Want To Touch You」

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9. Cocteau Twins「Treasure」(1984)


シューゲイザーの轟音ノイズと甘いメロディーの黄金比を荒削りながらも発明したのがJAMCなら、シューゲイザーのもう一つの特徴でもある浮遊感や耽美性を極限まで追求したのはコクトーツインズだと思います。

「Treasure」はそんなコクトーツインズの3枚目のアルバムにして代表作です。

エリザベス・フレイザーの非現実的な美しさをもつボーカルにひたすら圧倒されます。アルバム全編を覆う深いエコーをかけた艶めかしい歌声は、ギリシャ神話をモチーフにした歌詞の世界観にマッチしていて、心地よく天上の世界へと誘ってくれます。

おすすめトラック:「Lorelei」

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10. Swervedriver「Raise」(1991)


1989年のバンド結成から僅かでデモテープがアラン・マッギーの手に渡り、クリエイションからデビューを果たしたSwervedriver。「Raise」は1991年にリリースされた1stアルバムです。

前述のマイブラやライドもクリエイションですが、その辺りのバンドの中ではグランジに近いサウンドで、初期のダイナソーJr.やソニックユースのようなストレートな轟音ギターが好きな人にしっくり来やすいのではないかと思います。

とはいえ「Son Of Mustang Ford」を筆頭に英国らしい綺麗で耽美なメロディーが乗っているので、聞きやすいアルバムです。

おすすめトラック:「Son Of Mustang Ford」「Pile Up」「Rave Down」

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11. A Sunny Day In Glasgow「Ashes Grammar」(2009)


2006年に結成されたフィラディルフィアで結成されたアメリカのシューゲイザーバンド、A Sunny Day In Glasgow。

決して知名度が高いバンドというではありませんが、この2ndアルバム「Ashes Grammar」はピッチフォークが選ぶシューゲイザーのベストアルバム50にも選ばれ35位にランクインしています。

コクトーツインズに代表されるような後期の4ADサウンドの影響も見られ、アンビエントかつ煌くようなサウンドスケープを楽しむことができます。

おすすめトラック:「Close chorus」「Shy」

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12. Flying Saucer Attack「Flying Saucer Attack」(1993)


1993年に自身のレーベルから発売した1stアルバム「Flying Saucer Attack」

「Popol Vuh」なんて曲も収録されているくらい、ドイツのプログレに見られたような実験的なサウンドをルーツに持つ彼らのノイズは、他のシューゲイザーバンドとは異なり、冷徹で機械的で、どこか異端な存在だったと思います。

ジャケットにあるような、冬の明け方の朝に聞きたくなるような幻想的なサウンドスケープです。

おすすめトラック:「My Dreamind Hill」「Make Me Dream」

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13. The Radio Dept.「Clinging To a Scheme」(2010)


スウェーデン、ルンドのインディーズバンドThe Radio Dept.

ラブラドール・レコーズと契約したのは2001年ですが、それでも何年も評価されず、2006年公開のソフィア・コッポラの監督による映画『マリー・アントワネット』のサウンドトラックに使用されることによりようやく一気に知名度を獲得したバンドです。

「Clinging To a Scheme」はそんな彼らの3枚目のアルバムで、レトロで籠ったボーカルエフェクトとノスタルジー全開の琴線に触れるメロディーが心地良い作品です。

このアルバムはチープでポップな電子音が聴ける曲も多いので、いわゆるシューゲイザーとは若干異なる部分もありますが、ポップで人懐っこく個人的にもお気に入りの一枚です。

おすすめトラック:「Domestic Scene」「Heaven’s on Fire」「Never Follow Suit」

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14. Nothing「Tired of Tomorrow」(2016)


ハードコアからグランジシューゲイザーへと変化し独自のサウンドを完成させたフィラデルフィア出身のバンド、Nothing。

そのハードコア色の強いサウンドはイギリス産のシューゲイザーとは異なっていて、現在のRelapseアーティストの中で最も商業的に成功しているバンドのひとつです。

サウンドはヘヴィーなものも多いですが、この作品はタイトルからも想像できるように内省的な繊細さを持っているのが魅力のアルバムでもあります。

個人的には激しいサウンドの楽曲が続く中に閑話休題のように差し込まれている、クリーンなギターが中心に展開されていく救いのない現実を歌ったバラード「Nineteen Ninety Heaven」を推したいです。

おすすめトラック「Fever Queen」「A.C.D(Abcessive Compulsive Disorder)」「Nineteen Ninety Heaven」

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15. DIIV「Deceiver」(2019)


Beach FossilsのギタリストZachary Cole SmithのソロプロジェクトとしてスタートしたDIIV。

「Deceiver」は2019年に発売された3枚目のアルバムで、リバーブの強くかかったドリーミーなインディーロックサウンドとは異なり、ダークなシューゲイザー要素をふんだんに含んだ作品です。

マイブラ直系の轟音ギターとDIIVの持ち味でもある綺麗なメロディーの良さがふんだんに発揮されている完成度の高いアルバムで、「自己責任」と「欺瞞」をテーマにサウンド・歌詞共に新境地へと踏み込んだ渾身の一枚です。

おすすめトラック:「Skin Game」「Like Before You Were Born」「Between Tides」

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16. Alcest「Souvenirs D’un Autre Monde」(2007)


2000年にフランスで結成されたブラックメタルプロジェクト、Alcest。

シューゲイザーやポストロック、ブラックメタルの要素を融合させたサウンドが特徴的です。

ブラックメタルと言うと聞きづらいと思われる方もいるかもしれませんが、このアルバムはシューゲイザー要素強めなのでとっつきやすいです。

おすすめトラック:「Printemps Emeraude」「Souvenirs D’un Autre Monde」

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17. Ringo Deathstarr「Mauve」(2012)


2005年に結成されたアメリカ合衆国のオルタナティヴ・ロックバンド、Ringo Deathstarr。

2011年の4月には東日本大震災の影響で多くの来日アーティストのキャンセルが続く中、いち早く日本を元気付ける為とジャパンツアーを決行、その夏にはFUJI ROCK FESTIVAL ’11のホワイトステージへ出演するなど日本とも縁があるバンドでもあります。

ヴェルヴェッツやフガジ、JAMC、マイブラなど様々なバンドに影響を受けていて、現行シューゲイザーの中でも王道ど真ん中のサウンドを楽しむことができる作品です。マイブラの「Isn’t Anything」が好きなら必聴です。

おすすめトラック:「Burn」「Drain」

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18. Fleeting Joys「Despondent Transponder」(2006)


2019年に出した新作が「マイブラよりもマイブラ」だと言われたFleeting Joysが2006年にリリースしたデビューアルバム「Despondent Transponder」

言うまでもなく聴けば一瞬でマイブラ愛に溢れているのが分かりますが、決してただの二番煎じというわけではなく、彼ららしい開放感や透明感もふんだんに感じられる名盤です。

おすすめトラック:「The Breakup」「Go and Come Back」

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▼参考:シューゲイザーのディスクガイド本

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