【名作】本当に心に響く大人の絵本のおすすめ18選。

最近人気になりつつある大人向けの絵本。

童心に返って純粋に涙を流せるものもあれば、考えさせられたり、ハッとさせられるようなものまで様々な作品があります。

今回は、そんなまだあまり知られてない大人の絵本の世界をジャンル別に紹介していきます!

感動ものからダークな怖い絵本までまとめたので、是非読みたい絵本を見つける参考にしてみてください。



感動する大人の絵本6選

1. 100万回生きたねこ

1977年に発売され、累計発行部数228万部を超えた大ベストセラー「100万回生きたねこ」

自分にしか興味がなく、誰に対しても心を開かず生きていたねこが何度も生まれ変わるたびに少しずつ愛を知って失うことの悲しさを知っていく、というお話です。

猫の一生を通して描かれてるのは「生きるとは何なのか」です。

嫌いな飼い主に飼われたり、初めて大切な存在だと思える白猫と出会う場面を通して、大人になったからこそどんな人生を送るべきなのか再考させられます。

 

2. ずーっと ずっと だいすきだよ


1988年に発売された絵本「ずーっと ずっと だいすきだよ」

この話は主人公の「ぼく」と犬のエルフィーを通して言葉にして伝えることの大切さを描いた名作になっています。

「ぼく」は家族のみんなと違い、エルフィーに対して毎晩必ず「大好きだよ」と伝えていました。

そしてそんなエルフィーが歳をとった時にその行動の意味や大切さに気が付く、というのが大まかな物語のあらすじになっています。

私たちは大切な人や存在であればあるほど、「言葉にしなくても伝わってるはず」と思い込みがちです。

この本はそんな私たちに、大事に思っているということを大切な人にしっかり伝えられているのかを考えさせられます。

 

 

3. ごんぎつね

小学校の国語の教科書に載ってることでも知られてる新美南吉の名作「ごんぎつね」

一度読んだことのある方も多いかもしれませんが、是非大人になってからもう一度読み直して欲しいと思います。

物語はいたずら好きのごんが兵十が病気の母親のために用意したウナギをわざと逃がすところから始まります。

ところが、その後母を失って落ち込む兵十を見てごんは反省し、申し訳なさから食べ物を兵十の家に届けることにしました。

しかし、そうとは知らない兵十はごんがまたいたずらをしにきたのだと勘違いして、ごんを火縄銃で撃ってしまうのです。

そして、撃った後にごんが食べ物を届けてくれたことに兵十は気付いた、という話です。

実は、ネットでは「ごんは撃たれて当然、こそこそした罪滅ぼしは身勝手で自己満足でしかない」という感想を小学生が書いたことでも話題になりました。

大人になってから読むと「ごんがかわいそう」というだけではない、もっと様々な感想が出てくるのではないかと思います。

 

4. わすれられないおくりもの


1986年に発売された絵本「わすれられないおくりもの」

「死」についてテーマにした本で、大切な人との別れについて考えさせられながらも温かい気持ちになれる本です。

優しかったアナグマが「人生のトンネルの向こう側」に行ってしまい、悲しむ森の動物たちでしたが、アナグマが残してくれたものの尊さや温かさに気が付き始めるという話になっています。

出会いがあれば別れがあるものですが、たくさんのことを教えてくれたかけがえのない人のことを、会えなくなってからもずっと大切にしていこうと思わせられる名作です。

 

5. やさしいライオン

アンパンの作者・やなせたかし作の絵本「やさしいライオン」

孤独なライオンの息子と母代わりに育てた犬の親子関係を描いた話になっています。

動物園で怖がりでいつも震えていたことから「ブルブル」と名付けられたライオンは、太ってる「ブクブク」という犬に育てられます。

ブクブクは立派に成長し、ムクムクと離れ離れになってしまいますが、ブクブクはサーカスの人気者になることができます。

しかし、ブクブクが大きくなっても思い出すのはブクブクが歌ってくれた優しい子守唄なのでした。

この話の肝は「ブクブク」がなりたかったのは皆に愛される人気者ではなくて、たった1人のお母さんの息子になりたかったというところにあります。

温かくも少し悲しい親子を描いた物語ですが、涙なしには読めないほど感動します。

 

6. くものうえのハリー

RAM WIRE『僕らの手には何もないけど、』のMVから生まれた絵本「くものうえのハリー」

この本も親子の絆を描いたお話になっています。

こひつじのハリーを亡くしてしまったお母さんは悲しみに暮れていました。

そんなお母さんを天国で見ていたハリーは雲から降りて会いに行くことにします。

お母さんはハリーの存在を見ることはできませんが、ハリーの気配を確かに感じ、ハリーと過ごした日々を思い出すのでした。

ストーリーはシンプルですが、親子の関係性や大切な存在を失った後の向き合い方を考えさせられます。

 



考えさせられる大人の絵本6選

1. ぼく モグラ キツネ 馬

「いちばんの時間のむだってなんだとおもう?」
「じぶんをだれかとくらべることだね」

「ぼく モグラ キツネ 馬」は「世界一受けたい授業」や「王様のブランチ」などで紹介され話題になった作品です。

イギリスでは「2020年で一番売れた本」になったそうです。

この本は主人公の「ぼく」が「モグラ」「キツネ」「馬」に出会い、旅をしていく話です。

「ぼく」が悩んでいることを仲間に相談し、会話しながら物語は進んでいきます。

是非、忙しない日常や人生に疲れたりした時に読んで欲しいです。

誰よりも優しい相談相手のように、心の内に寄り添ってくれる1冊になっています。

 

2. 世界がもし100人の村だったら

環境学者が書いた文章が2001年頃からインターネットで広まり、絵本化された「世界がもし100人の村だったら」

「世界を100人に縮めるとまったく違うあなたが見えてくる。」というキャッチコピーでも知られています。

貧困や戦争、人種の違いなど、様々な問題が包含され、今の自分の立ち位置について客観的に教えてくれる作品です。

そこを比較して自分が幸せかそうでないかを測るというより、自分が見たいものだけを見るよう最適化された世界で生きてる人々にとってハッとさせられるような経験になるのではないかと思いました。

誰かと話したり、少し大きくなった子供に読ませて感想を聞いてみたりするのにも良い作品だと感じます。

 

3. オオカミがキケンってほんとうですか?

「うわさを しんじては いけないよ」
「わからないことは、じぶんで ちゃんと しらべるんだよ」

可愛らしい表紙とは裏腹に展開が衝撃的だと言われている絵本「オオカミがキケンってほんとうですか?」

想定外などんでん返しが2回ほど起こる展開は恐らく大人であってもかなり驚くと思います。

主人公の羊はある日「オオカミ キケン!」という張り紙を見つけますが、母にいつも「わからないことはちゃんと自分で調べるんだよ」と言われていたために、他の動物たちになぜ危険なのか質問します。

動物たちに聞いてもオオカミがキケンなのかはわかりませんが、「オオカミはとても嫌われている」ということだけは分かります。

ここまでがあらすじなので、是非この先はネットなどで漁らず知らないまま読んで欲しいなと思います。

展開を知らずに読んだ方が断然面白いです。

 

4. 非武装地帯に春がくると

日・中・韓の作家12人による作品「非武装地帯に春がくると」

平和を訴える作品を作るために日本人作家が呼びかけ、製作されました。

朝鮮半島の非武装地帯を舞台に、そこでの生活や季節の移ろいを眺めるおじいさんの視点から平和への思いが描かれています。

自然や命に溢れた場所を温かく描くことで、戦争の残酷さが浮き彫りになり、読み手の平和への思いを強くさせるような作品です。

 

5. 最初の質問

「あなたは言葉を信じていますか」

長田弘の詩に、いせひでこが絵を描いた絵本化された作品「最初の質問」

短い質問がいくつか問いかけられるのですが、なかなか答えるのに戸惑ってしまうような内容ばかりです。

今日、空を見たかどうかを質問されると、忙しい毎日に空すらも見ていなかったことに気がついたり、自分の内面に問いかけてみて初めて気が付くことが多くあります。

そして、自分と深いところまで向き合うことによって、自分の気持ちに気がつき、視界がクリアになるような。そんな力を持った作品です。

 

6. どんなかんじかなあ

ともだちの まりちゃんは めがみえない。

それで かんがえたんだ。
みえないって どんなかんじかなあって。

しばらく めを つぶっていたら わかるかもね。
うん、めを つぶっていてみよう。

子供向けの本ですが、大人が読んでも考えさせられる話です。

この本では、主人公のひろくんが目が見えない友達や耳が聞こえない友達の立場になって、「どんな感じなのか考える」という話です。

この話のテーマは「想像することの大切さ」であり、自分と人が見えてるものや聞いてることが違うからこそ、想像することをやめてはいけないのだと考えさせられます。

 

7. ぜつぼうの濁点

ひらがなの国を舞台に、主人公の「濁点」は、自分がいるから主人は「ぜつぼう」なんて悲しい言葉になってしまうのだと考えるようになります。

そして何とか「希望」にならないかと考えて…という話になっています。

主人公の濁点を通して、下ばかり見てないでほんの少し前を向いてみようと思わせられるお話です。

 



ブラックでちょっと怖い大人の絵本5選

1. チリンのすず

母親を狼に殺された子羊、チリンの復讐劇を描いたやなせたかしの絵本「チリンのすず」

チリンは自分の母親を殺した狼のウォーを探し、強さを手に入れるべく弟子入りさせて欲しいと志願します。

ウォーが弱肉強食の世界で生き抜く上で、チリンに闘い方を教えて日々訓練していると2人の間には師弟関係のような感情が生まれ、チリンはどんどん冷徹な性格へと変わってしまう…というお話です。

復讐の果てにあるのは何なのか、強くなるために必要なのは何なのか、子供向けとはいえ大人にとっても深く考えさせられる話です。

 

2. ウーギークックのこどもたち

日本テレビ系連続ドラマ「Woman」に登場した架空の絵本が坂元 裕二により絵本化され、発売された作品です。

病室で暮らしている女の子のるるは、地下のボイラー室に子どもの魂を食べてるウーギークックという怪物が暮らしてると聞き、やめさせるために会いにいくことに決めます。

少しダークなテイストで怖さがありますが、製作した坂元 裕二は「幼い頃に感じる怖い、悲しいという思いがいつか大人になった時に豊かな感情となる。そんなことを思いながら作った物語です。」と語っています。

永遠の生を持つウーギークックが、るると出会いどう変わっていくのか。その変化や不気味な世界観を楽しんでいただけたらと思います。

 

3. いるの いないの

次に紹介するのは、京極夏彦による怪談テイストの絵本です。

子供に読ませたらおそらくラストシーンがトラウマになる可能性大なので、大人が楽しむものとして読むことをおすすめします。

ストーリーは至ってシンプルで、おばあさんの家で暮らすことになった主人公の「ぼく」が、その家で何かの気配を感じて…という話です。

心の中の疑心暗鬼の種がページをめくるたびにどんどん大きくなっていくのを感じます。そこが見事ですし、不気味なのに抜け出せない魅力があります。

 

4. たべてあげる

SNSでも話題になったブラックなテイストの絵本の代名詞「たべてあげる」

食べ物の好き嫌いしないように」という意味で元々作られたようですが、それにしても子供が読むにしては怖すぎるのではと話題になりました。

物語のあらすじは、ピーマンが嫌いな主人公のりょうたくんが、自分の前に現れた小さなりょうたくんに自分の嫌いな食べ物をこっそり食べさせるところから始まります。

お母さんからも残さず食べたことでりょうたくんは褒められるようになるのですが、その後、何でも食べさせたせいでどんどんもう1人のりょうたくんは大きくなります。

そして、その状況に驚いていると、「こんどはりょうたくんが嫌なの?」と、りょうたくんを食べて、本物のりょうたくんとすり替わります。

その後どんな結末を迎えるのかは是非、実際に手にとって読んでいただけたらと思います。

 

5. ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

世界的なカルト・アーティスト、エドワード・ゴーリーによる絵本「ギャシュリークラムのちびっ子たち」

AからZまでが名前の頭文字についた子どもたちが26通りの死に方で死んでいく、内容自体はただそれだけです。

そして、絵で描かれているのはその命を奪った一瞬だけで、どうしてそうなったのかなどが一切語られません。

あまりにも軽く、死際の一瞬だけを切り取って見せられるため、黙々とページをめくるしかないのです。

しかし、そんな単調な描写を通して運命の残酷さ、あまりにも突発的にやってくる「死」というものの本質を捉えてるのではないでしょうか。

 

大人向けの怖い絵本に興味がある方はこちらの記事も是非参考にしてみてください!

【トラウマ必至】ゾッとする大人向けの怖い絵本おすすめ10選

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